次世代広告マン養成ギブス: 2008年1月アーカイブ

 昔からTV広告のデメリットは、リーチはあってもターゲティングが効きにくいことだといわれる。しかし本当のデメリットは、「見込み客」にもそうでない人と同じ15秒のメッセージしか届かないことだと思う。
 興味をもって、購買行動を起こす可能性が高くなっている人に、基本的にアウァネス(気づき)を主目的とするコミュニケーションだけで、購買決定のための次のステップのメッセージが送れないのが最大の問題だ。

次世代広告マンになるために、こんな古いマーケティング理論の話かと怒られそうだが、こういう基本的な戦略論(行動を決定する指標)は憶えて置いても損はない。

クープマンの目標値とは市場を的確に把握し、戦略を立案するために、マーケットシェアには意味のあるポイントがあるというやつである。

次世代対応の広告マンスキルを養成するためのギブスです。
特にネット広告会社の皆さんに、まずはマス広告系のメディアとコミュニケーションの理論や実際についてコメントしてみます。

ギブス①は、フリークエンシーに関する理論について

 TVを中心に「広告の有効頻度(有効フリークエンシー)については、様々な議論がされて来た。マス広告がたいへん機能していた60年代、70年代に確立した「有効頻度論」にいわゆる「スリーヒット」論などがでてくる。

まず、66年にColin McDonaldが「継続的に購入が繰り返される商品の場合、広告を1回露出された場合より、2回露出されたほうがブランドスイッチは多い。」ということを実証した。

72年にはKrugman が「3回目の広告露出が重要で、4回目以降は変わらない。」という3回の広告接触頻度に重要な意味があるという説を打ち出した。一回目:興味、2回目:商品の認識、3回目:(思い出し)購入を決断という考え方である。これを追認するかたちで79年にNaplesが「1購買サイクルまたは4週間以内に3回の広告接触が最適」という有効フリークエンシー論を確立する。

 このころはマスマーケティングの黄金時代だったので、広告論も実にシンプルかつプリミティブな感じだった。これが90年代になるとアメリカも大きなResession(不況)に見舞われるなか、消費者の心理も変わっていき、広告の有効頻度論も様変わりする。

 まず91年にJohn Phillipe Jones が広告接触と購入量に関する調査結果から「最も至近に接触した広告が、購買効果に影響を与える」という学説を発表する。78の調査対象商品中、70%以上の商品で購入者がその直前1週間以内に当該広告に接触していた。(「When Ads Work , 1995」)

 この後、Erwin Epshron がJones の研究を支持して、Recency Planning を提唱する。

 いわく・・・
・商品の購入が複数回接触する広告に説得されてなされる例は、成熟市場においては希である。
・むしろ、既に購買を予定している人が、最も至近に接触した広告に対して反応すると考える方が自然。
・商品の購入は毎日行われるチャンスがあり、また見込顧客をマスメディアで狙い撃ちすることは困難。

 「広告はそもそも、その広告内容に関心がある人にとってのみ有効であり、故に短期的効果が中心である。また毎日購買が行われるチャンスがあるとすればリーチを重視し、1週間単位でプランニングし、より長く(多くの週に)継続して出稿するのが良い」という考え方に至っている。

 こうしたリーセンシー=近接、至近という意味、リーセンシー理論が成熟市場における広告の有効フリークエンシー論に大きな影響を与えることとなる。