ベム: 2013年5月アーカイブ

 「ゴジラ対キングギドラ」みたいなイメージにしたかったが、いまいち迫力が乏しいのは両方ともあまり勢いがないからかな。

広告代理店は、メディアの枠を売ることで成り立っている。もともとはスペースブローカーで、新聞の枠を売るために、「広告文も書きますよ」から始まって、CMクリエイティブや調査、マーケティング、プロモーション、PRなど様々なサービスを提供するようになったが、結局は広告枠を売るために提供しているサービスだ。
 
 一方システムインテグレーターの収入源はもちろん発注する企業ごとのシステム構築にある。巨額なコストがかかることでは、広告メディアと似ていて、ここで利益を上げるので、それに至るまでのコンサルなどのサービスは、そのものがゴールではない。

 一部のシステムコンサルも、マーケティングコンサルのようなことにチャレンジして元広告代理店マンを入れたりしてみているが、そううまくいっているとは聞いたことがない。

 もともと会いまみえることのない両者であったが、今後競合することになりそうだ。(逆にいうと、競合できない広告代理店は市場から退場するだろう。)
広告マーケティングの世界にも、「データが通貨」という時代が迫っている。そして、システムインテグレーターも業務管理システムなどの「守り」のシステムからマーケティングテクノロジーの世界に進出しなければならないからだ。マーケティングテクノロジーをスクラッチでつくる企業はほとんどない。
 

 その領地争いの舞台になりそうなのが、DMPである。
広告業界は、DSPの機能拡張型DMPにまずは乗り出すだろうが、本丸は企業が広告の最適化に留まらず、商品開発ほかすべてのマーケティングに活用するためにある。
 そもそも巨大なデータを扱ってきたシステムインテグレーターにとって、基幹システムから上流のマーケティング領域に踏み出すチャンスでもある。
 しかし、DMPはターゲットセグメントをかけたあと実際にメッセージを当ててみて反応をとることで実証しないといけない。その意味での広告配信は必須なのである。

 アドテクノロジーとマーケティングテクノロジー、これらの領域には様々な機動力のあるテクノロジーベンダーがいる。
「かゆい所に手が届く」開発を一生懸命やっている彼らを応援したい。利用者となる企業も是非、中小規模でもテクノロジーベンダーと直接向き合って、どんどん要件定義をして、より良いシステムをお互いにつくるくらいの姿勢であってほしい。

とはいえ、大手エージェンシーも、システムインテグレーターも、それを黙って観てはいないだろう。(しかし日本のエージェンシーは米国でのATD/DMP攻防戦に比べると、あまり分かっていないようだ。『DMP入門』の補稿をご覧あれ。)
そういう意味では、彼らと思想を共有し、しっかり味方につけるのは、エージェンシーかSIerか・・・。
アドエイジ誌のエージェンシーランキングで、上位では最高の伸び率を示しているのがIBMのインタラクティブエージェンシー部門(法人?)であることを気付いているだろうか・・・。

 最近、重回帰分析によるマーケティング投資の最適化の仕事に関わることが多い。

実際に何が売上にどのくらい貢献したかを見ると、短期的な広告投資は意外なほど効いていない。ベースラインという広告やプロモーションを打たなくても売上が上がるラインがたいへん大きいのが分かる。実はこれこそがそのブランドや企業の資産である。もちろんブランド力とかコミュニケーション資産、流通への配荷力、営業力いろんなものの総体である。

 デービッド・アーカーが「ブランドエクイティ」という概念を提唱してから、ブランド力を定量化する試みはいろいろされてきたかとは思うが、本当にこれを可視化するのは難しい。
 ベースラインというのは、解析不能という意味でもあり、データマイニングをするサイエンティストには未確認のゾーンということになる。

 私は、数学や計量経済学をやってきたような地頭のいい人材に、是非我々のマーケティングコミュニケーションの世界に入ってきて欲しいと思っている。こうしたことが出来る頭脳は、従来の広告屋を鍛えてどうにかなるレベルではなく、「データ取扱い者免許」みたいのを持っている人に、「広告コミュニケーションって面白いでしょ?」「このベースラインというブランド力みたいな訳の分からない部分を可視化してみないか?」のような甘言を用いてこちら側の世界に連れ込みたいと思っている。

でないと、マーケティングコミュニケーションの世界は立ち行かないからだ。

96年にインターネット広告の転じて、日本初のアドネットワークづくりを始め、アドテクノロジーにどっぷり浸かってきたが、今こそ、それ以前の15年間、マス広告/ブランディングコミュニケーション開発を嫌というほどやってきた経験が活かせるチャンスはないと感じる。

データサイエンティストに広告マーケティングの世界に携わってもらうために、コミュニケーションの面白さを語って「口説く」こと・・・。ライフワークになりそうだ。

DMPの入門本を出しました。


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下記は目次です。

目次


はじめに

第1章 DMPとは何か

1-1 データを駆使したデジタルマーケティング
   デジタルマーケティングで全体を最適化

1-2 DMPの役割と機能

   DMP事業者の採用とプライベートDMPの構築

   DMPを定義する7つの要素

   顧客ID、Webサイト訪問クッキー、会員ID、ソーシャルIDなどを統合する

   統合されたデータを分析し、クラスタリングを生成する

   生成したクラスターを連携するツールにデータをフィードないし交換する

   生成したクラスターに属するユーザーデータを可視化する

   特定ユーザーと類似または関連づけられるユーザーに対象を拡張する

   ユーザーセグメントを最適化し、セグメントごとのメッセージを最適化する

   ユーザーデータを広告配信に利用し、かつ広告配信反応によってデータの精度を高める


第2章 DMPの代表的なプレイヤー

  2-1 日本のDMP事業者

      AudienceScience「Gateway」

      DAC「AudienceOne」

      Platform ID「Xrost DMP」

  2-2 マーケティングテクノロジーのランドスケープ

   統合型ソリューションをどう活用するか


第3章 DMP活用の視点

  3-1 広告から見たDMPの活用

     DMPを広告配信に活かす

     リターゲティングとの違い

     分析単位をページビューからユニークユーザーへ

     セグメントされたユーザーの重なりを把握する

     重複の排除


   3-2 メディア側から見たDMP活用

     メディアのDMP利用法

     メディアの分析をオーディエンス単位で行う
 
     オーディエンスデータの提供

     DSPへオーディエンスデータ提供する場合

     SSPにオーディエンスデータを付随して提供する場合


   3-3 広告主から見たDMP活用

     広告主のDMP利用法

     自社データの管理、セグメント化

     興味の軸でセグメント

     モチベーションの軸でセグメント

     ユーザーの状態でセグメント

     外部オーディエンスの購入


第4章 広告主のデータ活用ステップ

   4-1 広告主のDMP活用ステップ

      広告主のDMP活用7つのステップ

      1.プライベートDMPの構築

      2.プライベートDMPへのデータ保管

      3.外部DMPとのデータ・連携分析

      4.内部オーディエンス分析

      5. データ分割(セグメント作成)

      6.広告配信連携

      7.広告配信結果フィードバック

  4-2 プライベートDMPとプライベートDSP

    広告配信を最適化するDSP

    プライベートDSPのニーズ

    広告主、代理店、メディアのデータ競争が始まる?


第5章 プライベートDMPに向けた企業の課題

   5-1 ビッグデータの現実

     ビッグデータとは

    そのデータに価値はあるか

    分析力で価値を創造できるか

    ビジネスプロセスの改革も必要


   5-2 分析におけるサイクル

    データによるビジネス改善のサイクル

    情報システム部とマーケティング部のギャップ

   5-3 分析機能の確立

    IT投資の偏向

    分析機能確立のためにクリアすべきこと

   5-4 プライベートDMP構築の意味

    ウェブマーケティングを超えるDMP

    データ分析の発展性


第6章 DMP時代の組織と人材

  6-1 データドリブンなマーケティングのための組織改革

      経験値から憶測するマーケティングの終焉

      マーケティング人材が育たなかった原因

      注目されるCMOの役割

      組織再編と人材育成の機会となるDMP構築

      DMP構築は企業変革の発火点

      チームみんなで情報を共有し、評価や判断基準を共有する

   6-2 DMP開発運用に必要な人材

      次世代マーケティングのための4種の人材

      データ統合によって新たな価値の創出を構想する

      「データマネージメントディレクター」

      収集統合したデータを分析して活用できるものにする

      「データアナリスト(データサイエンティスト)」

      どんなセグメントにどんなメッセージを最適化する

      「コミュニケーションプランニングディレクター」

      データによる最適な広告配信を設計する

      「デジタルターゲティングプランナー」

【補稿】DMPは会社が変わる「きっかけ」となる


第7章 DMPの活用事例と業界展望

   ゴルフダイジェスト・オンラインの中澤伸也氏に聞く

   日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会 代表幹事本間 充氏に聞く

   対談 野内敦×横山隆治


付録 海外のDMP動向

   海外DMPの動向

   グローバルマーケターの意向を反映する海外DMP事情

   エージェンシーグループの事例(1)MDCパートナーズ:ゼロからのDMP構築と人材確保

   エージェンシーグループの事例(2)WPPグループ:マインドシェアによるDMP「COREプロジェクト」の立ち上げ

   DMP専業社の事例(1)BlueKai:アドテク企業が狙うブランディング領域とは

   DMP専業社の事例(2)Lotame:DMPが勝る、メディアバイイング機能とのすみ分け

   「プライベートDMP」設立によるマーケターのエージェンシー離れ

    著者紹介

ちょっと前の記事になってしまったが、3/25付けのアドエイジ誌掲載の「Marketers, Agencies Locked in a Data Tug of War」を読み解いてみる。

http://adage.com/article/agency-news/marketers-agencies-battle-owns-data/240518/

・明らかに、エージェンシーとクライアントで、データの所有権の争い(協議)がある。
 
・データは今や、マーケティング業界での、アツい「通貨」だ。

・クライアントの為に購入したサードパーティのデータに至るまで、エージェンシーのテクノロジー(プラットフォーム)の中に蓄積されてては、クライアントは使い勝手が悪い。

・データの所有権に関する、エージェンシーとクライアントとでの争いがある。

・クライアントも独自のインハウスプラットフォームを作るブームがある。

・Omnicomは、クライアント横断型のデータは作らない、クライアント個別のデータ蓄積に徹する、と言っている(オムニコムのAnnalect:DMPのDMP)「アイデアだが、連合制モデル、とでも言うべき
 みんなが使えるデータ形式になるのではないか」

・Turnは、「所有権問題、というのは、ちと古い」 「今後は、データがある事が前提での、アクセス権、の議論になるだろう」

・HTC曰く、「契約書を作る時は、エージェンシーとの契約ではなく、その先のベンダーと広告主との契約を、必ず結ぶパターン」にしている。

・DSP、DMPの裏で動く、マネーシャッフル(データシャッフル)を理解することが鍵。


など、非常に重要な話が議論されている。


さて、従来のアドテクノロジーに関しては、アメリカが最低でも2~3年先を行っていてくれたので、どういう方向に収斂するかが分かってから日本でのダイレクションを検討できた。しかしDMPに関しては、その差は1年ないんじゃないかと思う。その意味で日本のプレイヤーにもリスクが大きい。しかし、その分先行メリットはより大きくなっている。先行した者に追いつくのは至難の技だろう。それだけ、チューニング(学習)による改善効果が高い仕組みだと思う。

 オーディエンスデータとは何か。基本的にネットユーザーである消費者ひとりひとりのWebの閲覧データをベースに、デモグラフィックデータ、ジオグラフィックデータなどの情報を紐付けておいて、それぞれがブランドにどう関わるかを分析できるようにしたデータ群と云える。

 ブランド側(企業側)は、自社メディアへの訪問を果たしているファーストパーティクッキーをベースに見込み客としてのターゲットセグメントを組成したい。しかし自社メディアのコンテンツだけでは、情報量が足りない。自社サイトのコンテンツだけでオーディエンスを評価するほどのコンテンツではない。
精緻な情報でしっかりしたターゲットセグメントを組成するには、同じクッキーが外部メディアでどんな閲覧行動をしているかというデータが有効である。

 メディアは、こうしたデータをブランド側に供給することでのビジネスを模索することになるだろう。実はこうしたデータ供給はメディアにとっても大きなメリットがある。メディアのオーディエンスはどんな購買行動をする人なのか、どういう事前行動があるのかを知ることはメディアにとっても果実である。
 オーディエンスデータはブランドとメディア間、あるいはブランドとブランド間でのデータエクスチェンジによって鍛えられる。

 もちろんそこにリアル購買行動データなどがマージできればさらに厚みのあるデータとなるだろう。どこまでをオーディエンスデータとして定義すればいいのかはこれからの課題だが、もちろんWebの閲覧や検索データだけでは、(特にリアルな販売チャネルを主力とする企業では)もの足りないはずだ。

 そしてこうしたデータは、ブランド側もメディア側もオーディエンスデータを鍛えることになるため、(データの価値を高めるため)流通するだろう。
 
 そして、オーディエンスデータというものの、こうしたデータはオーディエンスターゲティング(クッキーを特定するためだけ)に使われる訳ではない。自己関与の高い商品カテゴリーではオーディエンスターゲティングは機能するが、衝動的購買行動の商品カテゴリーでは、クッキーを追い回すだけより、タイミングや、掲載面のなどのコンテクストなどが寄与する。どんなタイミングで、どんな文脈に対してどんなメッセージが寄与したかも含めたデータとなるだろう。

 

私は、ブランドがDMPを構築して新たなターゲットセグメントをつくるということは、そのターゲットセグメントに「対」となる「メッセージ」が開発されるということだと思う。そして、私の感覚では、この「メッセージ」とはいわゆるクリエイティブではない。
 「メッセージ」とは「文脈」であり「キーワード」である。そしてそれをコンセプトとして開発すべきは「広告クリエイティブ」ではなく、「ブランド発のコンテンツ」である。

 要するに、ブランド側は基本こうしたコンテンツ開発を自社でやる(プロデュースする)能力を取り込む必要がある。データと向き合うデータサイエンティストとは、データから人間観察をし、響く文脈とタイミングの計り方を理解し、メッセージとコンテンツを発想できる人(あるいはチーム)である。(実際にアウトプットをつくるのは外部で良い。)

 今のところ広告代理店にはこうした知見はなく、ブランド企業側の方がはるかにこうした知見が育つチャンスが大きい。チャンスが自社にあるのに、面倒に思って代理店にアウトソースする企業は、おそらく自社でチャレンジする企業に、もう取り返しのつかない圧倒的なマーケティング力の差をつけられるであろう。

 私が完全クライアントレップとしてのコンサルティングファームを志向したのは、このマーケティングの大変革という状況で企業をサポートすることができるポジションだからである。

 ブランドがメディアとオーディエンスデータをエクスチェンジし、あるいは企業間でも流通させ、データの精度と知見を高めるマーケティングが台頭することで、オーディエンスデータは「マーケティングの通貨」足り得る。

 ただし、「枠」の流通にだけ介在する者を素通りする「通貨」であろう。

 「メイキング・メジャメント・メイク・センス」 クールな名称だ。
3MSは、IAB(インタラクティブ広告協議会)、ANA(全米広告主協会)。4A(アメリカ広告業協会)などが参画し、運営委員を含めた50名の各界からの役員と、150名を超える参加者で指標づくりを目指すプロジェクトだ。
 
 3MSはデジタルだけでなく、テレビなど全てのメディアの共通指標(クロスプラットフォーム)をつくろうとしている。
 彼らが目的として掲げているのは、
 ・デジタルにおける正しい広告取引の通貨と測定基準をつくる。
 ・デジタル広告におけるソリューションの統一見解をつくる。
 ・現在進行している測定基準主体を明確にする。
の3点である。

 これらをどのように成立させていくかということでは、
 ・デジタルにおける広告取引の通貨を変える。
 ・取引で使われる測定指標の透明性と標準化を推進する。
 ・インタラクティブ広告がどのようにブランド構築に貢献しているか評価するための最良の方法を妨げるサプライチェーンの問題に対処する。
 としている。

http://www.iab.net/mmms

 3MSが広告主にもたらす機会は

 ・広告のビューアビリティ(広告が見られたか)とネット視聴率(eGRP)の採用
 ・デジタル指標の信頼性と信用性を大きく高める
 ・メディアに使う予算のROIを高める。
 ・予算配分の最適化のためのプラットフォーム横断の統一基準のサポート
 ・ブランディングのためのクリエイティブや在庫のより良い使い方
  
  の5つで、課題としては、
 ・積極的なブランディング効果測定活動
 ・ビューアビリティの全面的な採用
  の2点を挙げている。

 もともと、テレビなどにはOTS(Opportunity to See)という概念がある。配信ベースのインプレッション数が、画面に表示されていない場合、(つまりビューアブルでない場合)OTSという訳にはいかない。
 
 画面にビューアブルになっていれば、TVに映っているという状況よりは、確実な視聴に近いだろうであることは想像に難くない。
 その上、そのビューはブラウザを特定でき、ユニークなユーザーを特定することも可能だろう。
 ブランディング効果にいかに寄与するか、これから本格的に追及されることとなるだろう。いいことだ。


 入札運用型広告はインハウスで運用した方がいいと以前のエントリーで書いた。ブランド統合的にインハウスないしハウスエージェンシーでの運用がお奨めだ。リスティング広告をインハウス運用して、またアウトソースに戻してしまうケースもあるが、それは導入方法が悪かったからだ。ディレクションできるスキルを獲得できないで、作業に埋没してしまうと何も得る事のないまま、また完全アウトソースに戻すことになる。それでは意味がない。

 そもそも「運用」とは何を「運用」するのかというと、事業部から預かった広告投資用の金を、求められる広告パフォーマンスに変換して返すという「運用」である。期待値を上回るパフォーマンスにして返して初めて「成果を出した」ことになる。

 この際、売り手の論理で出来た「枠」を買うことももちろんあるだろうが、基本的に買い手が自在に入札するモデルを十分に活用することが前提だ。何故かというと、入札型であれば、買い付けてみて、期待されるパフォーマンスがとれない場合、すぐにでも止めることが出来るからだ。株を買って、株価が下がれば、場合によっては損切りしてでも売ってしまい、その分を他の株に投資して取り返すことを当然やるだろう。
 広告の運用も株式の運用と考え方は同じだ。

従来の「枠」もの広告は、契約上買ってしまうと、途中でパフォーマンスが悪いことが分かっても「止めます」という訳にはいかない。(当然です。)
 いくらPDCAを廻すとか言っても、「枠」を買ってしまう投資より、1配信づつを丁寧に入札するスキルを高めることが効果的だ。
 そのためには、日々、リアルタイムの運用経過を共有し、知見を高めることだ。

 事前に決めたバイイングプランで最後まで突っ走る時代ではない。反応はリアルタイムで把握できる。ユーザーレスポンスを見ながら、最も効果的かつ効率的なハンドリングをする時代なのだ。
 リアルタイムでデータが把握できるのに、リアルタイムで手が打てないのでは意味がない。PDCAサイクルはもう極限まで短いものになっている。「一定のパフォーマンスが得られなければ中断して他の手段にしてみる、または期待以上のパフォーマンスがあれば追加予算を投入して、もっと押す。」という考え方にならなければだめだ。

 「広告枠を買う」のではなく、「広告パフォーマンスを買う」のであり、そのためには自分自身でダイレクトに入札することで、いつでも「Go or Stop」を自在にコントロールするのが当然のこととなるだろう。
 代理店に発注してしまうモデルはマージンを取られるからどうこうではない、代理店のマージンは当然あってしかるべきものだ。「枠」の投資成績が良ければ、代理店から「枠」を買うので良い。代理店にマージンを下げさせるのが効率の良い買い付け方なのではない。そもそも買い付け額とその配分を、買っている本人が自分で自在にコントロールした方がよいのだ。
 

 「運用型広告」の「運用」とは、金融の「運用」と近い感覚のものである。もちろんかかるコストはPL上の費用ではあるが、だからと言って予定されたものは使ってしまうものとか、予備資金は全くないというのでは「運用」にならない。