ブログ管理者: 2019年3月アーカイブ

 この1~3月期は、いわゆるネット専業系が苦戦している。一方電博のネットメディアは堅調のようだ。(特に博報堂は好調のようだ)
 今回はこの傾向を分析してみる。

従来、マスメディア宣伝部とマス広告主でもネット広告を買い付けるダイレクトマーケティング部門は二分されていて、ネット専業系は後者にと棲み分けていたところもあった。しかし、ブランディング目的でのデジタル広告市場も大きく伸長するばかりでなく、テレビ×デジタルの統合戦略がやっと本格的になってきた。
 ブランディング広告とはいえ、「売り」に繋がっているかは厳しく問われるのは当然だ。テレビ広告がそれだけでは「売り」をつくる力が落ちているという議論は、ずいぶんされてきたと思う。デジタル連携がその答えになるかどうかを今試していない広告主はかなり遅れていると言わざるを得ない。

 ベムの理論は、ユーザーの文脈でコミュニケーションが成立している「デジタル」とブランドの文脈でプッシュされる「テレビ」とを役割を分担し、双方の接触を促すことで「売り」に繋がる力を創出しようというものだ。ユーザー文脈でコミュニケーションするデジタルにはブランドを「自分事化」させること、テレビはそのブランドが「社会事化」しているというパーセプションを与えることである。
テレビCMの一番のディスアドバンテージは、メッセージを特化するとネガティブな反応を起こす人にも当たってしまうこと、逆にデジタルターゲティングのアドバンテージは「当てたい人に当てられる」ことよりむしろ「当てたくない人には当てずに済む」ことである。ということは特化したコミュニケーション、つまりその人の文脈に合ったメッセージを受け入れるだろう対象者にだけデジタルで配信し分け、一方テレビCMでは「テレビでもやっているブランド(皆が周知しているブランド)であるということに意味がある。テレビでもやっていることが購買行動の背中を押すことになる。従来の「テレビで認知させ、ネットで刈り取る」のではなく、「デジタルで素地をつくって、テレビで刈り取る」のである。


 さて、主題に戻ろう。1~3月期にネット専業が苦戦して、レガシー代理店が健闘したのは、ブランディングコミュニケーションの中核を担っているテレビCMクリエイティブをおさえている電博が、テレビ×デジタル統合戦略のなかでデジタル広告の受注も果たしているのではないかと思う。
 一方、ネット専業は、いわゆるCPA需要に若干頭打ち感が出てきたことと、ブランド広告主のテレビ×デジタルに対してメッセージ開発で電博の遅れをとっているがために、この領域での受注に至っていないのかもしれない。

 これは、ベムも以前ブログに書いたが、ミドルファネルをめぐる攻防が始まったことを意味する。その初戦は、空爆のテレビ広告クリエイティブを担っているレガシー代理店が、そこからミドルファネルに降りてきてデジタル扱いも手に入れることで勝利しているというところか・・・。

 たしかにこちらの方が初戦では有利だろう。比較的楽に落とし込める。


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しかし、このままずっとこの優位が続くかは少し議論だ。

 最終的に購買した、あるいは他ブランドを選んだ、その理由に迫れるのは、購買時点に近いポイントでのデータを持つ者であり、そこから押し上げる「ミドルファネルにおけるターゲット文脈ごとのメッセージ開発」が非常に重要になるだろう。
 また、買った人のシェアではじめて認知する人のパーセプションフローを設計して開発するメッセージなど「デジタル領域を起点とする強み」もある。

 ファネルの上から降りるか、下から押し上げるか・・・

 押し上げる方が、力が要るだろうが、下から逆引きする、「買う理由」から迫るミドルファネルのコミュニケーション開発とデジタル配信設計が本当の勝負所になる。

 ここに「エージェンシーの本丸のデジタル化」が絡むだろう。

 面白くなってきた。

 いくつかの秘策はある。 ネット専業も頑張れ! 

「データドリブン・・・」というワードのには、ビッグデータが何でも解決してくれる
という幻想が含まれている。

データという材料をインプット側だけで語る人たちがいかに多いか・・・。

データはマーケティングの米ではあるが、炊かないと食えないし、料理しないと価値がない。
データをインフォーメーション化し、それをインテリジェンス化してこその
マーケティング活用となるし、そもそもどんなマーケティング施策を最適化するか
どんなアイディアや判断を生むために、データを使うかという
アウトプット側からデータ使いをプロデュースする人材がいないと全く成果はでない。

だから、データドリブンマーケティングというのは机上の空論で

施策ドリブンでデータを使いこなすマーケティングといわないといけない。

そこで重要なのは、こうした施策(アウトプット)側からデータ使いを
プロデュースするスキルセットの定義と育成である。

ベムも自分の会社で、大会社のマーケティングダッシュボードを構築させてもらった
ことがあるが、重要なのは施策ドリブンでどんなデータを引っ張ってきて
どんな分析をかけ、どんな視覚化(表現)するか
に留まらず、

一番重要なのは、使い出してからになる。

月に一回毎月、ダッシュボードを活用しての施策の最適化は実際にどう行われたか
どんな判断やアイディアが生まれたかを
マーケターのメンバーたちが共有するためのワークショップを行い、
それをファシリテートした。

そこで、もっとどんな「データの見える化」が出来るのでは?とか
データの質や分析法を改善するというPDCAが繰り返されないと

だいたいのダッシュボードは半年もたずに使われなくなる。

その典型が、まずは、企業内にあるデータをとにかく繋ぎましょう!みたいな
ところから始まる、全くアウトプットを考えないやり方だ。

「顧客のデータがバラバラだから統合しましょう!」

「CRMを再構築しましょう!」

は一見聞こえはいいが、では「日本でデータ統合で成功した事例を上げてください」と

云われてちゃんと答えられる人ってあまりいないのでは・・・。

何でもかんでもデータを統合するとデータは淀む

統合して淀ませて、改めてクレンジングしても、クリアはデータにならなかったり、
そもそもその苦労は何でしてるのかという話にもなる。

特定の施策を最適化するため、あるいはある方向感で新たな施策を発見するために

データをどう活用することができるのかと考えれば、
始めからいらないデータをみんな繋ぎこむような愚かなことにはならない。

やはり重要なのは

施策(アウトプット)側からデータ使いを
プロデュースするスキルセットの定義と育成である。