ブログ管理者: 2017年6月アーカイブ

昔は子供も、お酒やクルマや化粧品のCMをたくさん見ていた。だから、お酒を飲める歳、免許をとれる歳、化粧を始める歳になった時に、さんざんテレビCMで見てきたブランド力が機能する。そういうものであった。

しかし、今クリティカルなのは本当にティーン以下の子供たちのテレビ接触が落ちてきていることだ。
そして、一方企業側ではブランドマネージャー制度が普及し、担当ブランドのターゲットにだけ訴求しようと懸命になる。当然、クルマやお酒や化粧品は子供相手ではないので、ターゲットされない。

このまま行くと、子供たちが相応の歳になった時に。「はい。お酒飲めますね」とか「クルマ乗れますね」とか「もうお化粧するご年齢ですね」と言って、「〇〇です。」とブランド名をコミュニケーションしても、「???」になりかねない。

もちろん広告だけがブランド力形成手段ではない。おそらくもっと商品やサービスそのものの体験がより重要だろう。

 だからブランド体験の場も含め、従来テレビCMが果たしていた若年層へのブランドコミュニケーションは何に代替させていくかを考えないといけない。

おそらく、「コンテンツ」提供や「ブランデッド・コンテンツ」制作にこの課題解決の方向感を得ることができるだろう。

そして、こうしたコンテンツによってブランドが得られるエンゲージメントの質的評価をすることが今後重要になる(これはもちろん若年層に限ったことではないが)。

センサーデータによる視聴動向と認知相関を調べていると、高齢層と若年層には明らかな違いがある。若年層はマルチな情報取得行動が可能で、周辺視野に少し入るだけでも認知したりする。一方高齢層はテレビをぼおっと見ているが感度が低くなっている。

テレビも視聴者の高齢化が顕著だから、もう高齢層相手にするしかないのでは?という意見も出てきそうだが、世帯視聴率ベースで番組制作をするだけではなく、もっと視聴者の8割がティーン~20代という番組づくりにもチャレンジしほしい。そしてそのコンテンツにネイティブなブランドコミュニケーションにもチャレンジして、強いエンゲージメントを得られるように広告主と一緒に番組とCMづくりを作ってくれるテレビ局「出てこいやぁ!」ですな・・・w。

  これはアドウィークアジアでのデジタルインテリジェンスセミナーでのコーナーテーマである。資生堂音部さんにセッションに加わっていただいて、このテーマ(「メディアのブランド化とブランドのメディア化」)設定が示された。(音部さん有難うございます!)
 ニューヨークでのアップフロント(テレビメディアがいっせいに広告主向けプレゼンテーション大会を繰り広げる)が先日行われたばかりで、今年のトレンドが、「プレミアムメディアとブランドセーフティ」・・・。

 しかし、そもそもブランドセーフティなんて、従来のテレビ局は「当たり前過ぎて言ったこともない」というだろう。

 アップフロントやニューフロントを眺めていて、日本と一番違いを感じるのが、メディアがブランド化をとっても意識していることだ。テレビ局も日本より特徴が明確だし、よりエッジを立てたメディアがある。
日本では既存マスメディアは特にテレビ場合、局の特色はそれほどない。まあ似たようなドラマ、似たようなバラエティ、(そもそもベムは思うのでが、「バラエティ」と1語で番組を語っているところも新しい番組の概念を開発できない要因である気がする。いろんなものだからバラエティという1語に括るのではなく、あえて新ジャンルを開発して定義していった方がいい。)似たような報道番組(まあ報道と言っても情報番組)・・・。
局は一生懸命自らの「局」を打ち出してはいるが、それはブランド化とは違うし、実際ブランド化できていない。

一方、カテゴリーキラーが「takes all」のネット業界では、ブランド化をやっている。(まあ、メディアでありサービス事業だからね、ブランド化しないとやっていけない・・・)

免許事業のテレビ局は本当のブランド化を考えたことがないのかもしれない。

 ベムはテレビのブランド化に関しては、例えばこう思う。
 テレビ東京はもっとWBS(ワールドビジネスサテライト)をブランド化して、デジタルメディアに留まらず、プリントメディア(雑誌「WBS」)も展開すればいいと思う。(もちろんサブスクライバー化して)すべての番組をブランド化するのは無理だし必要もないが、一定の支持が定着したコンテンツをブランド化することは、コンテンツプロバイダーとしてのテレビ局が今後チャレンジしないといけないことだろう。

 地上波の放送枠の中身としてのコンテンツ開発だけでなく、さまざまなディストリビューション手段に展開できるコンテンツをつくること、リニアなテレビ放送から視聴者の接触が多様なメディアにバラけてきている現状で、いつまでもテレビ放送枠だけを前提にしたものしか作れないとしたらクリティカルだ。(こんなこと言い飽きたことだが・・・)

 で、資生堂ブランドに、マキアージュやエリクシールというブランドラインがあるように、TBSブランドを形成するのはしっかりしたコンセプトとオーディエンスを獲得したコンテンツブランドが必要だ。こういう個性のあるコンテンツブランドをつくるのはTBSだよなって思ってもらえばいい。これを意識しないと、今はこのドラマはどの局かなんてほとんど意識していないしね。
 またドラマももう少し局別の個性があったが、今はだんだんなくなっている。視聴者には別にどこの局かなんてどうでもいいからだ。

 さて、ニューヨークのアップフロントでメディアがアピールするのはもちろんコンテンツである。広告主もコンテンツを買う。でも日本では広告主は番組枠を買う。もちろん事情は分かっている。ずっと売り手市場だったからいったんその枠を手放すと、すぐには買い戻せないから、同じ枠の番組企画変更にもスポンサーはお付き合いしないといけない。
ドラマ枠も当然コンテンツがコロコロ替わるが、さてドラマの企画変更によってオーディエンスがどう変わっているかどれだけ把握してますかね・・・。スポンサーが狙いたい視聴層でしょうか?広告主も視聴率さえ一定以上ならいいんでしょうか?
 
 テレビの視聴率って同じ10%でも中身が全然違うことがありうる。ドラマのように視聴者の8割以上の人がは放送時間のうちほぼ全時間見てくれる10%もあれば、音楽番組のように自分の見たいアーティストのところだけ10分くらい見て離れる視聴者が最も多く、入れ替わり立ち代わりいろんな視聴者が観た10%もある。また箱番組(週1回のやつ)であれば、定番客(ロイヤル視聴者)がどのくらいいるのか、(ベムは1クール13週のうち8週以上観る人をロイヤル視聴者と呼んでいるが、このロイヤル視聴者が一回でも見た人のうち何%いるかで番組定着率が違う)これも番組によってリーチとフリークエンシーの内訳が違ってくる。

 また、オーディエンスの流出流入も当然把握しておかないといけない。どんなオーディエンスが欲しいか、同じ枠でもドラマ企画を変更したらどんなオーディエンスが流出し、どんなオーディエンスが他局から流入したのか・・。こういうこと広告主もテレビ局にデータを要求したほうがいいんじゃないかな。

 ニューヨークのアップフロントから学ぶことは、テレビ局はコンテンツによるブランド化をもっと意識すべきであること・・・。「メディアのブランド化」がキーワードであることだ。

 それにしても、新たな番組企画を広告主にアピールするイベント(デジタル系ならコンテンツやオーディエンスをアピールするイベント)、日本でもやるといいよね・・・。

 アメリカではもう6~7年前から、C3、C7といったタイムシフト視聴を合算する指標があります。放送後3日後まで、または放送後7日まで入れましょうということだ。

 それがここきてなんとC35などという話が出てきた。
そのココロは、4週間分のドラマをまとめて「一気見する」からだそうだ。

 ベムも体験的に週末海外ドラマを「一気見」することが多い。面白くなると半日かけて「ハウス・オブ・カード」シーズン1全部観ちゃうとか・・。(全部画面を注視しなくてもいいので、最近吹き替えを選ぶことが多いのは「一気見」仕様といえる。長時間なのでコーヒー淹れにいきながらも音声でフォローできるからだ。)

 こういう視聴スタイルはベムのようなおじさん特有でもないだろう。特にテレビ端末で見るVOD型の番組視聴は、こうした視聴スタイルがすでにかなり広がっているだろう。スマホは隙間時間にいつでも入り込むが、テレビ画面では時間のある時に面白いコンテンツをじっくり連続して楽しみたいというわけだ。

  さて、「見逃し視聴」を取り込みたいということでスタートしたTVerが基本1週間分だけなのにはいろいろ「大人の事情」があるのは分かっている。

  しかし、どうせならこの「一気見」需要を取り込まない理由はない。
しっかりCMを見てもらえるTVerは、広告主が比較的長尺CMを試すいいチャンスになる広告枠だ。今後広告インベントリーがもっと増えてある種のターゲティング配信ができるようになると、15秒のCMより、もっと見込み客層に近い消費者へのメッセージとしのて長尺動画と位置付けてもいいだろうから、単なるアウェアネス狙いのターゲティングではなく、パーセプションフローの次のステップ狙いのコミュニケーションが長尺もので叶うかもしれない。
 ターゲティング配信できるくらいにインベントリーを増やす意味でも、「一気見」需要をとりこむべきではないだろうか。

 ベムは以前テレビ局での講演で、「『見逃し視聴』とおっしゃってますが、今の視聴者で本当に番組を「見逃した~」って思っている人はほとんどいませんからね・・。」と悪態ついてきたりしてました。テレビ局が視聴者に「あれっ?見逃しちゃったの?」という発想自体ナンセンスです。とっくの昔に編成権は視聴者のものであって、テレビ局の編成のものではありません。

 だから今の時代、小売り業がリアル店舗に客を取り戻そうとか、テレビ局がリアルタイム放送に視聴者を連れ戻そうとかいうこと自体、意味のある努力とは言えないのです。もちろんSNSで評判が広がってリアルタイム視聴が上がる例は昨今もあります。でもそれはSNSの力で寄与した関心はコンテンツに対してであって、リアルタイム視聴行動に対してではありません。もちろん放送しているのですから、その放送時間で見てもらえるようになることはありがたいことではありますが、いろんなコンテンツ視聴形態が用意できていればいいわけです。むりやり「リアルタイム視聴に」と考えずに、総体としてオーディエンスに届く、しかもセグメントされたターゲットに強く届く(またそれがレポートできる)方が価値が高いのです。

 ところでTVerではフジテレビさんはFODでのユーザー登録を促しますよね。ベムはもうあれが嫌で、そもそもTVerでCXを選びません。それに、デモグラデータを入力してもらってもほとんど意味はほとんどありません。全然アノイマス(匿名)でいいのです。
 そのユーザーがどんなコンテンツを選んでいるオーディエンスかがわかり、視聴しているコンテンツでセグメントできればいいのです。そもそも今までそれが出来てなったからです。

  ある視聴ログデータとサードパーティデータをつなげた見た事例では、50代の男性を、家に子供がいるグループ、もう独立して奥さんとふたりのグループ、単身の50代男性グループでは視聴番組がほとんど被っていません。つまり50代男性というセグメントは意味がないのです。
 M1とかF1とか、パネル数が少ないので比較的幅広い年齢区分になっていて、20歳と34歳を同じに括るとか、50以上は80過ぎまでひとくくりみたいなベムも噴飯もののデモグラセグメントでマーケティングできるんでしょうか?
 そういうデータしか取れないと思っていたから今までは仕方ないのですが、実は取りようはあるのでは?と考えてみましょう。コーヒーを1日4杯以上飲む人で括るとこの番組の視聴率は?とかね・・・。

 だから、100万人単位で、もしかすると今後は1000万人単位で視聴データが取れるかもしれないTVerにもっと視聴者をとりこむ努力が必要なのではないでしょうかね。ねえテレビ局さん。「一気見」対応しましょう。