ネット企業は広告主となるとテレビCMのつくり方が分からないのかも

ゲームアプリやEC系ビジネスなどネットビジネスが広告主となってテレビ広告を大量に使うようになった。もちろんどのCMクリエイティブでどのくらいダウンロードされたかとか測定はしているものの、そもそもCMクリエイティブ開発には、ろくにクリエイティブブリーフもない感じで、いきなり出てきたアイディアベースのつくり方をしていると感じる。

 ベムが昔CM制作に携わっていた時は、かなり表現戦略上のRationaleというか思考回路も吟味されたものだ。だからKJ法だのラダー法などいろいろやってみた。まあ演繹的に作り込むのはそう簡単じゃない。
 クリエータもだいたい引き出しに入っているアイディアを使いたいから、表現戦略上のコンセプトで理屈をつくる僕のようなアカウントプランナーとは大概衝突する。クライアントにプレゼンの席で、「う~ん。アサツーさんのは、考え方はいいんだけどねぇ・・・。表現案がその考え方と違うというか・・・。変にジャンプしちゃってて・・・」とよく言われた。(笑)

 で、ネットビジネスの広告主のCMクリエイティブなんだが、やはりネットでCPAとかが指標で、ABテストとかばかりやっているから、「クリエイティブ」することがどうも分かっていないように思う。バナーみたいなものは既存のクリエイティブ素材の副産物として制作されてきたから、ネット専業代理店の人は撮影に行ったこともない人が多いだろう。
そもそもパソコンの画面上でしか思考していないように思う。

 ABテストをすると言っても、考えられる表現が100あるとしたら、レベルの低い99番目と100番目を比較して、「どっちがいいか」とやっているかもしれないよね・・・。

 クリエイティブというのは、いったん考えられる「表現」を1000本ノックで拡げられるだけ拡げ、そこから修練させるというプロセスを踏む。
 
 また修練させるロジックも、クリエイティブブリーフをつくって、そのフィルターを通ったものでないと成立しないわけで、「面白いからいい」という訳にはいかない。
 
 「ネットインプレッション」という最終的に視聴者に残るパーセプションを計算しつつ、ブランドメッセージの伝え方を企てる。

 そうした「ブランディング」を長年思考してきた者と、CPA思考とにはかなり距離があるようだ。

 ネット広告に関しては、重箱の隅をつつくような細かい最適化を追求する割には、テレビCM制作には大雑把というか、つくり方が全く分からないのかぁと思う。

 せっかくテレビ使うなら、テレビCMをどう作るかは、クリエイティブ開発にしっかりした思考回路を持たず、代理店任せにすると(というかこういうのは代理店のせいにしちゃいけなくて、広告主の能力が出るものなかので)、いくらABテストして最適化していると言っても、ABテストではなく、YZテストしてるかもしれないだけどね・・・。

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