2015年11月アーカイブ

今朝、デジタルインテリジェンスから『CMARC』(TVCMアクチャル到達補完型デジタル広告配信)をリリースしました。

http://markezine.jp/article/detail/23501


このなかで、弊社の基本的な考え方として、TVCMの到達をインプレッション数(TVCMの表示回数)で指標化することを提案しています。

従来も、e-GRPだのV-GRPだのと、ネット広告の方をTVCMの指標であるGRPモデルにしようという努力がなされましたが、成功しているようには思えません。そもそも無理があるのです。

ベムは、広告代理店の時代にTVスポットや番組販売をものすご~く作業してきました。まあ、ローカル局も多かったとはいえ、おそらく少なくとも総計で数10万GRP分くらいのスポット作業をしたでしょう。
その経験値と、96年からネット広告ビジネスを立ち上げてきた(JIAAとWeb研の共同プロジェクトでネット広告の用語集をつくって広告の表示回数をインプレッション数と定義した)知見でいうと、TVCMの方をインプレッション数にしてしまって方がいいというのが私の結論です。

 なぜかというと、TVスポットを買い付けている広告主のみなさん! みなさんは通貨としては世帯GRPで買い付けてはいるでしょうが、マーケティング指標としては個人GRP(TARP)を見てますよね。ターゲットGRPです。

 でもこのパーセントで見る指標には問題があります。

 ちょっと古いデータですが、1998年~2010年の12年間にM1の個人視聴率は98年を100とすると、2010年には70.4にまで落ちていますが、この間、M1の人口は8掛けになっています。ということは、M1への総到達量は98年を100とすると、2010年は56.8になっているということです。F1でも同じく64.2です。
 つまり母数が減っているのに、ずっとパーセントで評価するのはおかしくないですか?ということです。

 リーチを到達人数、GRPをインプレッション数というように絶対数で捕捉する意味は、まず、それが正確な到達量の数値であること、またエリアをまたいでも足し上げることが出来ること、そしてネット広告と同様の指標で捉えられるということで、TVCMとデジタル広告の組み合わせのしやすさがあるということです。
(CMARCではTVCMのターゲットリーチの補完をこの指標で行います。)

 そして、

 今回のCMARCは「リアルタイムで捕捉して、リアルタイムで手を打とう」ということを標榜しています。

 TVCMとネット動画などの組み合わせの議論は、既にいろんな代理店からもシミュレーションモデルが出来ています。ベムも昨年はずいぶんTVとネット動画のアロケーションモデル構築のコンサルをしました。ここでもひとつの結論があって、事前のシミュレーションはナンセンスということです。
 
 それはそうですよね。なにせTVCMのアクチャルGRPはひどい時はスポット案の7掛けくらいになってしまうこともザラにあるんですから・・・。TVが7掛けになることを想定してシミュレーションしてますか? それに、アロケーションモデルと言っても、ほとんど予算配分の話で終わってしまい、デジタル側をどう配信するかということまではなにもプランニングされないということです。例えばテレビスポットに8000万円使って、デジタルに2000万円使うのが適正配分と答えが出たとして、このデジタルの方の2000万円の使い方は無数にありますよね。誰に(配信先のターゲットは?)、どんなタイミングで、どのくらいの量、どの程度の単価で買い付けて、配信するのか・・・。CMARCでは、ターゲットセグメント(例えば20代女性)のリーチやインプレッション数が目標値に対して、TVCMではどれだけ足りないのか、はたまた、足りているのかをアクチャルをほぼリアルタイムで見ながら、足りなきゃネット動画を入札していくというモデルです。

 逆に言えば、足りてれば何もしなくていいのです。予算余らせるべきです。


 つまり、事前に最適化プランニングがあるのではなく、リアルタイムで実態を捕捉して「運用で最適にする」という考え方です。

 そのためには、予算がプランを決めてしまうという従来の考え方ではなく、キャンペーンをやる以上はターゲットリーチやフリークエンシーに目標設定がなされなければなりません。広告主のみなさん、今回のTVスポットのキャンペーン、ターゲットにまずは関東地区だけで何人に何回見せたいですか? ターゲットは20代女性ですか、30代女性ですか?そのターゲット350万人に2000万インプレッションですか? 400万人に2500万インプレッションですか?
 それを想定するためにも、まず今やっているTVCMがターゲット何人に何インプレッション、到達しているか見ませんか?

お問い合わせは下記へ

info@di-d.jp


 
~コミュニケーションブランクをつくるリスク~


「新世代デジタルマーケティング」にはこんなこと書いてますシリーズ その2 です。


キャンペーン型の広告展開について、最近広告主の間で問題視されていることがある。それは、キャンペーンでTVCMなどを使って「盛り上げる」のだが、「キャンペーンが終わるとすぐに効果が減衰して、元に戻ってしまう」ということだ。

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 これは感覚値でそう言っている訳ではなく、商品の販売量などで昔よりキャンペーン後にシュリンクする速度が増したという広告主がいる。原因は想像でしかないが、やはり世の中の情報量が多すぎて、消費者のメモリーがもたなくなっていると考えられる。

 そうなると、この現象に対応するためには、2つの対応策が考えられる。

ひとつは、「もっとキャンペーンでのサウンド量を上げる」、そしてもうひとつは「キャンペーンとキャンペーンの間の谷間になんらかの対策を打つ」である。

 競合するブランドがどんなタイミングでどんなキャンペーンを打ってくるかという(相手があること)こともあるので簡単ではないが、基本的に今キャンペーンの山をもっと高くしようとすると実態としてはどうなるかを想定してみよう。

 下記図)はTVCMのフリークエンシーのモデルである。GRPはリーチとフリークエンシーに分解できるが、ここで算出される平均フリークエンシーとは、正規分布する訳ではない。たいがい、0回、1回、2回という過小フリークエンシーの接触者と、フリークエンシー過多の接触者とに2極化する。
 広告会社は「このCMでの有効フリークエンシーは〇回だから、〇〇〇GRP打たないといけません。」というだろう。しかし、有効フリークエンシーを平均フリークエンシーとしてGRP量を決定して出稿しても、有効かつ無駄のない「適正フリークエンシー」で接触している人は案外少ないのだ。
 これはTVCM投下の特徴で、出稿プランを多少変えたくらいでは補正されない。

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 この状況で、TVCMの投下量を増やすと、20回見ている人に25回見せることになりがちだということだ。そうであれ、山をさらに高くするように「盛る」よりも、合間または「谷」になっている部分に対策を打った方がいいということになる。

 もうひとつの視点で考えてみよう。

競合ブランドが大型キャンペーンを打ってきたとする。定常的に調査している自社ブランドの認知や購入意向数値が下がってきて閾値を割ってきた。
 当然対抗しようと同じようにTVキャンペーンを実施するために広告代理店を呼び、CMのプランを出させるし、TVスポットの枠を抑えさせる。しかし、どんなに急いでも実施までには2~3ヶ月はかかる。
 その間、消費者のマインドには競合ブランドが優位になっていく。自社ブランドのコミュニケーション資産(ストック)を測るメーターがあるとすると自社ブランドのキャンペーンが始まる2ヶ月先までどんどん減衰していく。
 
 つまり「打ち手」を競合と同じTVCMキャンペーンだけで考えていると、「即」手は打てない。マーケティングコストを考えると、この間(つまり自社ブランドのコミュニケーションブランクの間)になにかしらの手を打って「谷間」を出来るだけ浅くしておく方がよい。即手を打つことで谷をそこしでも埋めておいたほうが、2ヶ月後のTVキャンペーンだけで盛り返すよりもコストがかからない。

 では即打つ手とは何があるのだろうか。

 まず考えられるのは、デジタル広告である。PCネット広告、スマホ広告など、しかもDSPやリスティング広告などの入札による運用型広告である。


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 そもそもDSPとはデマンドサイドつまり広告のバイイングサイドのための広告買い付けシステムである。
 このシステムの広告主にとって画期的なことは、バイサイドの好きなタイミングで、好きな量、好きな価格で、好きな配信対象にだけ、広告を配信する(買う)ことが出来る。

 従来、広告というものは売る側の論理で出来ている「広告枠」を買う側が選んで買うモデルしかなかった。ところが検索連動型広告から始まり、DSPによるPCやスマホへのディスプレイ広告の入札買い付けは、まったく買う側の論理で出来ている。
 効果がないなと思えば、すぐやめてしまうこともできる。

 こういう仕組みのアドバンテージをよく理解して活用しないといけない。まだ日本ではDSPというとリターゲティング広告のためのツールのように思われているが、本来は「運用」で最適化を図るために、キャンペーンによる予約型広告のパフォーマンスをリアルタイムで捕捉しながら、まさに「間」を埋めるためにあると言える。

 特にTVのパフォーマンスをつぶさに見て、補完したり、相乗効果を生むために使うのがブランディングを目的とする広告主には最もハマっていると言える。

 

 キャンペーンのピークをどう作るかは、競合ブランドとのマインドシェア争いがある場合に最も留意されるべきだが、(販売シェアや店頭占有率などの状況しだいではあるが、)キャンペーンとキャンペーンの谷間に、従来より施策を打つ方が有効なマーケティングコストの使い方になるはずだ。それだけ今まではほとんど谷間を放置していたと言えるだろう。

「新世代デジタルマーケティング」にはこんなこと書いてますシリーズ (その1) です。

 アロケーションというキーワードはここ数年で、広告やマーケティング業界で定着した感がある。「割り当て」ということだから、ほぼ予算配分ということになるのだろう。

 広告の世界では、「予算がプランを決める」という性格が強く、例えば「2億くらいないとテレビ出来ないよね」とか、いずれにしても大きなコストがかかるテレビをやるかどうかからスタートしてプランニングされているのは事実だろう。ある種の「お買い物ゲーム」である。(昔「がっちり買いましょう!」という番組があって、大物を買ってから数字合わせのための商品があったのを憶えている。)

 その発想に引きづられると、「ではオンライン広告はテレビに対して15%ね・・・」とか、そんな決め方になる。
 しかしよく考えてほしいのだが、例えば2億の予算で15%の3000万をオンラインに使うとして、その使い方は無数にある。マスメディアとは違う。誰にターゲットして配信するのか、どんなフォーマットで、どんな効果を目的にするのか、つまり、配信設計、KPI設定、目標数値設定、効果捕捉手段、入札運用型であればオペレーション方針、そういうことが決まらないといけない。まず決めるべきはそうしたプランだよね。
 もちろん予算はないと困るが、そもそもKPIの達成目標が設定できないで、予算だけ決まるのはおかしくないでしょうか?

 広告をもう少し「投資」として考えるなら、バイイングコントロールをする宣伝部は、ファンドマネージャーのようなもので、事業部からお金を預かって、それを特定のマーケティングのパフォーマンスにしてみせるプロにならないといけない。この時、ファンドマネージャーであれば、効率の悪いものを買ってしまったら、ずるずる持っていないで「損切り」する。また目標のパフォーマンスを獲得したら、予算は余らせる。そういうものである。

 予算を使い切ることが前提ではない。

マーケティング目標を達成するが前提である

「今回のキャンペーンの目標は『ターゲット○○○万人にリーチさせること』であり、『ターゲットに○○○○万インプレッション接触させること』であり、『ターゲット認知を○○%まで到達さえること』である。」と目標設定できないキャンペーンであってはいけない。

「予算化でスタートして、予算で出来ることというプランニングをして、プランどおりに執行して、終わってから効果があったか調査してみる。」こういうの、もうやめましょう。

 そもそも終わってから調査したって、もう終わってるんだから何も「打ち手」に繋がらない。キャンペーンを始める前からずっと自社ブランドと競合のKPIをリアルタイムで捕捉していないといけないのであって、キャンペーンはそのKPIの目標値を設定して、達成させるためにある。それも競合という相手のあることなのだから、目標は常に相対的なものでもある。

 だからこそ「運用型」のマーケティング施策の実行スタイルが必要になる。

 事前にベストなプランなど決まらない。

 運用でベストにするのだ。


 

マーケティングのデジタル化で、事業者によってのマーケティングの再定義が必要なように、マーケティング支援産業でも特に人のスキルの再編成が必要です。

ネット領域に閉じたスキルが通じなくなるのは時間の問題で、マーケティング支援とは全体像としてどうなっていて、デジタル化でどうなるか・・・。これを踏まえた上で、キャリアを設計することが大事になっています。

第1回、第2回とセッションはたいへん熱を帯びてきております。

第2回参加者はみなさんセッションが終わってからみんなで呑みに行ったみたいですね。w

そういう社外ネットワークができて情報交換するのもいいかもしれないです。

次回 は 11/30 18:30~ です。  是非ご応募ください。

http://eventregist.com/e/bem_talksession_03

DIGDAY JAPAN を読む機会が多い。

なかでも、最近ではこの記事に注目した。

DIGIDAY Japan
ネイティブアドを行う、初のテレビ局「VICELAND」誕生:Webのビジネスモデルは通用するのか?

http://digiday.jp/publishers/vice-coming-to-tv/

これを読んでもらった上での解説エントリーだ。

身近なたとえ話を考えて見よう。テレビ東京が「ガイアの夜明け」をブランデットコンテンツと定め、スタートアップの企業達にフォーカスした紹介番組にシフトさせ、中国Youkuと放映パートナーシップを結んだとしよう。これでテレビ(局)のネイティブアド事業の出来上がりだ。

今後はフジテレビでも日テレでも、ブランデットコンテンツを制作する本数が増え、自社配信にこだわらず拡散するパートナー(売り先)を探す(営業する)、という事が始まるのは時間の問題だろう。

今回VICEのCEOシェーン・スミスが発したコメントがすごかったのは、「テレビのネイティブアド」の旬の話題を、タイミングを見計らったようにIABの国際カンファレンスで発表をしたこと。VICEメディアは元はモントリオールのローカル「パンク」雑誌としてスタートした。スミスCEOがWEBメディアとしてここまで業態を変遷させたことは驚く。もう一つ凄いのは、コンテンツをグローバルに展開させる(営業する)と標榜したこと。

日本のテレビ局の事業モデルがどうシフトするのか、という目線でこのニュースを紐解いてみる。そのためにまずは、日本のテレビ局とアメリカのケーブルTVの事業の違いを整理しておこう。共通点が見つけやすくなる。

■局とは「作り手」なのか「送り手」なのか。

アメリカには「ケーブルテレビ配信社」(コムキャスト、タイムワーナーケーブル、ディッシュTV等)と、ESPNやA&Eらの「ケーブル番組制作チャンネル」とが存在する。これらをひっくるめて「ケーブルテレビ」と略して呼んでしまうのでややこしい。日本のテレビ局は上記の両面を兼ね備えて「局」と呼ばれていると考えてよいだろう。

結論から言えば、日本のテレビ局は、良し悪しは別にして「番組制作チャンネル」という制作者側の色がだんだん濃くなる可能性がある。少なくともネットフリックスへ番組制作で手を組んだフジテレビの動きはこの方向だ。今まで政府からの利権で儲けていた「配信者」側ビジネス、を今後どう扱うのかが見ものだ。


■パイプ屋なのか、制作屋なのか
アメリカに話を戻す。ネットフリックスやHULUの登場以前は、アメリカで「テレビ番組を見る」場合、視聴者は「ケーブルテレビ配信社」に月額100ドル程支払って200チャンネルを見る、というスタイルが主流であった。このケーブルテレビ配信社(コムキャスト、タイムワーナーケーブル、ディッシュTV等)を、話の区分をわかりやすくするためにコンテンツを送り届ける「パイプ屋」と表現しよう。パイプ屋は「200チャンネルパッケージ」や「スタンダード50チャンネルパッケージ」等の価格差別したバンドルメニューを用意して視聴者に売る。パイプ屋事業には、上記の古来のケーブル配信社だけでなく、電話線事業のベライゾン、AT&T等が参入している。

今回のVICEと発表をしたA&Eは「番組制作チャンネル」であり、パイプ屋にチャンネルを購買契約してもらって利益をあげる側だ。平たく言えば番組制作して放送局に売る「プロダクション」なのだが、1本単位ではなく「チャンネル」としての仕入れ契約を年単位で行なう。良い番組チャネルとしての「ブランド力」を高める事が、彼らの生命線だ。

当然パイプ屋に高く売れるチャンネル(ESPNは筆頭)と、あまり高く売れないチャンネル(A&E)が存在する。ちなみに1契約者あたりのチャンネル平均単価は31セント。ESPNはその20倍の6ドル強だが、A&Eは30セントだ(※SNL Kagan調べ)。

madman01.jpg 図2 ケーブルテレビ局(コムキャスト、タイム・ワーナーケーブル、ディレクTV等)が、ネットワーク局(ESPN、TNT等)に支払う、購読者1件あたりに占めるコスト。業界平均は約41セント、中央値は14セント。ESPNがダントツで6ドル、A&Eは登場していないが30セントと言われている。


■ディズニー資本のA&Eでもミレニアム狙いのコンテンツが作れない
A&Eは、ディズニーと米ハースト社(コスモポリタン等の雑誌)の50/50ジョイントで作られた「番組制作チャンネル」。A&Eとはアート&エンターテイメントを意味する。傘下には同じ名前のA&Eの他、「H」のロゴでお馴染みのヒストリーチャンネル、今回改名をする事になったH2、他10チャンネル持つ。

このA&Eが立ち上げたH2チャンネルが、A&Eの自力ではミレニアム世代を引きつけることができず、お手上げたった。18-49歳の層ではついに昨年比20%の落ち込みがあった。今回の発表は
(DIGI DAY引用)2016年初頭に、衛星・ケーブルテレビ局A+Eネットワークが保有する「H2チャンネル」を「VICELAND」と改名し、A&Eとともに運営すると明らかにした。A&Eが「VICELAND」の株式の過半数を保有し、放送や業務面を統括。残りの半数近くを保有するVice Mediaがすべてのコンテンツを提供する。(ここまで)

A&Eが先見の明があったのはVICEに2014年から資本をいれていた事だ。この交渉も主導権を持っていたのはVICE側で、当初はタイム・ワーナーをパートナー交渉をしていたが、バリュエーション価格が折り合わず、A&Eがパートナー権を獲得した。

A&EネットワークはVICEに15%(約300億円、2.5億ドル)出資した事になっているが、他にもマーチン・ソレル率いる英WPPがVICEに2011年に数%、ルパード・マードック率いる21 Century FOXが5%(約84億円、7千万ドル)と、ちゃんと出資している。VICEのシェーン・スミスはカナダ出身だ。日本のテレビ局は、グローバルコンテンツについてどれほど積極出資をしているだろうか。競っている矛先が日本の井戸の中での視聴率では、コンテンツプロバイダーとしての伸びシロは小さい。

VICEの現在の価値は6000~7200億円(50~60億ドル)と言われており、15%保有するA&Eは約600億円(5億ドル相当)、5%保有するFOXは約240億円(2億ドル)程の理論上のキャピタルゲインを作った事になる。このように、番組制作チャンネルが自社内に制作機能を持たずとも、グローバルに伸びるコンテンツへの早期投資によって、チャンネルブランドを成長させている。この投資の輪が欧米人の同士の人脈ネットワークの中で粛々と進んでいる。

続く


DMPは潜在層から効果的なターゲットセグメントをつくるものである。CRM領域だけやるならリコメンドエンジンに毛が生えた奴で十分だ。なぜDMPを採用するかと言えば、顧客したユーザーから、顧客化する可能性の高いまだ潜在層をターゲティングするためである。

メーカーでECサイトでもリアルチャネルと同じ商品を売っているのなら、そこで顧客化したユーザーを分析・拡張して、まだ顕在化していないか、顕在化を把握できていないターゲットに適切なコミュニケーションが出来るようにするのがDMPの最大の目的と言っていい。おそらくリアルチャネルでの販売量がほとんどであろうから・・・。

 そこで重要なのは、今通常行われている汎用拡張ロジックは、あまり効果が出ないということだ。クルマにはクルマの拡張ロジックがあり、化粧品には化粧品の拡張ロジックがある。もっと言えばそのブランドごとに「反応者から同じ反応を起こそうとする人を特定していくロジック」は違うということだ。

 おそらく日本で初めて反応者の拡張配信実験をやったのは私だと思う。6年前の実験では、効果が出た商品カテゴリーとほとんど出なかったカテゴリーに分かれた。その時は「グラフ理論」を使った拡張で、そこがブラックボックスで原因を究明できなかったが、同じロジックでどんなカテゴリーも効果的な拡張ができるという訳にはいかないということは分かった。汎用ロジックでうまく拡張できるブランドの方が少ない。
 その後も研究しているが、拡張ロジック構築にはマーケター発想が必要だ。

 また、事業者が1stパーティデータだけで捉えている顧客や顕在化ユーザーから逆引きするだけでは、潜在層の中の見込み客をあぶり出すのは難しい。その意味でデジタル広告は「広告であり、ユーザー反応を観る調査でもある。」ソナーを海中に投じて、魚群を発見するように、新しいターゲットセグメントをマーケター発想で仮説立てして反応を試すことをもっとやるべきだろう。見えていないターゲットの発見の可能性がある。
 
 新たなターゲットセグメント創造や自身のブランドの拡張ロジック構築を出来るようになることがデジタルマーケティング時代のマーケターに求められるスキルになっていくかもしれない。

 個人視聴率の中でもっとも世帯視聴率に連動しているのが、F3の個人視聴率だ。世帯視聴率をリードして形成しているのはF3層と言っていい。だから世帯視聴率をあげるためには高齢層の特に女性が観る番組をつくればよい。もう若者向けをつくってもろくに観てくれない。そもそも商売は世帯視聴率でやってる。だから「29年ぶりの男女7人」とか、即、世帯視聴率が取れそうな(誰が観るか最初から分かる)企画に終始する。

そしてどうなるか・・・。

 そもそも人口動態を見ると、こんなにも高齢化してるんだから、もうテレビのせいじゃないかも・・・。
例えば、若年層をティーンと20代までと定義すると、関東地区だけ見ても、男女を分けるとそれぞれの人口比は10%を切る。若年層の個人視聴率は低いから、リーチや接触回数は当然もっと低くなる。足りないからGRPを増やしてもいいが、やはりそのほとんどは高齢層に当たる。というかテレビ視聴時間が極めて長い高齢層に当たる。もちろん商品がコンドロイチンなら問題ないが・・・。

 とはいえ、プッシュ力のあるマスメディアはテレビだけだ。

広告主からすれば、テレビ局にはもっと自分たちがターゲットにしている視聴層が観る番組をつくってもらわなければ困る。当然だが、その指標はもう世帯視聴率ではない。そろそろしっかりデータ分析して、重要な広告主が欲しい視聴層をどうやって視聴させるか、またどうやって視聴してもらうきっかけをつくるかを起案して、PDCAを廻すことをしないといけない。(今やってないとすると、もうタイムリミットギリギリだと思うが。)
広告主もターゲット視聴が採れる番組制作とそのプロモーションをもっとテレビ局に要請した方がいい。誰のためでもなく、広告主のためだから・・・。

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