ブランドの文脈とユーザーの文脈

 TVCMとオンライン動画のアロケーションに関しては、基本3つの考え方がある。ひとつは単純にターゲットリーチ補完、ふたつ目に認知の補完、これは適正フリークエンシーを補完するということ、(テレビだけだと大概、過少フリークエンシーと過多のフリークエンシーに二極化して適正フリークエンシーで当たる視聴者は少ない)そして三つ目は態度変容つまり購入意向などを促進するための相乗効果の醸成だ。
 三つ目はテレビCMだけではなかなか「自分事化」しない消費者を、その人に強く刺さる文脈でコミュニケーションすることでブランドメッセージを残したいという考え方だ。
 
 オンライン動画は配信対象とするユーザーをターゲティングする際に、そのユーザーはどんな文脈やコンテンツに強く反応しているかを判定できる。対象のユーザーはどんな要素が強く刺さるかでオンライン動画はクリエイティブブリーフをつくることが可能だ。

 テレビCMは、ブランドの文脈でメッセージが作られるが、オンライン動画はユーザーの文脈で作るというのもひとつの考え方だ。ただ、両方に接したユーザーが、テレビしか接触しないユーザーよりブランドの理解や購入意向などの態度変容をより起こすように相乗効果を醸成できるほうにしないと意味がない。つまりオンライン動画だけやる場合と、テレビCMとオンライン動画を両方使う場合は、少しクリエイティブの考え方が変わってくることになる。

 オンライン動画のクリエイティブ案に対して、テレビCMとトーン&マナーが違うのでNGだと言う広告主がいるそうだが、そこは割り切って、ブランドの文脈とユーザーの文脈でクリエイティブをつくるのだからある意味トーン&マナーは違って当たり前くらいでチャレンジしないと意味がないように思う。ただテレビCMとオンライン動画はアプローチは違うが、ブランドメッセージの何かに帰結するようにつくるということが肝心なポイントだ。そこに「技」が要る。
もちろんオンライン動画にもTVCMと同じトーンな&マナーを大事にする考え方もあるが、TVCMだけでは「自分事化」しない場合、オンライン動画による特定のターゲットへの特定のメッセージ認知をより大事に考えて、強く刺さるようにユーザーの文脈でアプローチすることを優先する考え方もある。
 
 オンライン動画の目的と機能、オンラインだから出来ることを整理していくと、そのブランドにとってのオンライン動画をどうつくるかが見えてくるように思う。効果を指標化して確実にトラックし、PDCAを廻すこと、場合によってはどんどん修正をかけていったり、大量に制作して、反応のいい素材に修練させていくとか、TVCMでは出来ないことにトライしないとあまり意味はないだろう。

アメリカトヨタではレクサスNXモデルの動画を1000本以上もつくって展開したとのこと。
http://web-tan.forum.impressrd.jp/u/2015/10/22/21349

 その意味では、効果の指標のひとつは「シェア」なんだろうと思う。そもそも動画はブランディングを目的とする広告主にとってのチャレンジ対象だ。ブランディングを目指す広告主にとっては、シェアされるかどうかを効果指標にすることは意外にしっくりくるような気もする。
オンライン動画は「シェアされる動画を、ワンポイントのブランドメッセージをしっかり残すことに成功しつつ作る」というスキルに一度フォーカスしてみたい。

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