テレビの危機とテレビ局にとってのコンテンツ(番組)マーケティング

 どうやらホントにテレビが危機的な状況だとやっとテレビ業界の人も思い始めたようです・・・。テレビ業界が危機的かどうかは一般の生活者にはどうでもいいことだが、業界人としては免許事業で参入障壁が高く、ある意味で長らく「いい思い」をしてきたから、「いい思い」ができなくなるのは「たいへんだ」と思うわけだよね。広告業界もこの恩恵に与ってきたから、本当は単に守ろうとするのではなく、培ったマーケティング力で危機を打開する手伝いをしないとね。

 そもそも民放の周波数帯域(VHF帯)は、これを使う放送事業者にとっては効率的でとてもいい帯域なんだよ。だからGHQが占領政策の一環として(大本営発表で国民を騙してきたから、今後はそうしたことがないように)民間放送にこのいい帯域を与えていこうとした訳だ。

 でも、テレビ放送業界って、NHKの事業規模を足しても3兆円もない。雇用は数万人かな。周波数の一部を通信業界に割り振るだけでモバイルキャリアのつくる市場や雇用数は桁違いだ。
 
 周波数行政に関しては総務省の役人の方がよっぽど革新的。ローカル放送局などは再編したほうがいいに決まっているが、地方選出の代議士がそうさせない守旧派なんだよね。

 さて、テレビが危機に陥って、本当に困るのは誰か。
それは「広告主」です。

 2兆円弱の広告費をテレビCMに投入することで、マーケターとして広告主はいったいいくら売上利益を伸ばしているだろうか。(誰か計算してみたらどうだろう。テレビ広告で消費はいったいいくら拡大するのか・・・。ちゃんと中長期のブランド力構築への貢献度とそのブランド価値もカウントしてね。)

マスマーケティングを支えてきた「3つのマス」つまり大量生産モデル、巨大流通(量販店)、そしてマスメディア(テレビ)。大衆がいかに分衆化しても、マスマーケティングの効率の良さは変わらないので、分かれちゃったいくつかのクラスターを串にいくつも刺して同じものを買ってもらうのがマーケティングの醍醐味になったとも言える。
 
 ということは、今や唯一のマス広告メディアである「テレビ」の効果や効率が落ちては困るのは広告主以外にない。
 テレビCMの効果が落ちると、なくなるのはテレビ広告市場だけではなくて、テレビ広告で獲得出来ていた広告主の売上(消費)なんだよね。よくネットビジネスがテレビ広告を使うことでネット広告とは比べようもないくらい大量に会員を獲得できたりするのに驚くことがある。テレビ広告に代わる広告メディア、マーケティングメディアがあればいいが、有力なデバイス候補のスマホにはまだテレビ広告を代替する「枠」や広告フォーマットが確立しているとは言えない。
 それにテレビの持つプッシュ力に相当する広告メディアはない。

 しかし、本気で代替策の探索を始める時期に来ているのは間違いないようだ。
 
 最近テレビCMのアクチャル到達をつぶさにみる機会が多いが、ティーンエージャー、20代をターゲットセグメントとした場合、そもそも若年層の人口がホントに少なくなっているのに愕然とする。その上で若年層のTV視聴機会がどんどん少なくなっているので、到達率も落ちていて、到達者の絶対量たるやぞっとするくらい減少している。
 
 その層には、テレビCMの役割を代替する施策が急務である。もちろんデジタル広告が最も有力な候補だが、ただそれはいわゆる「広告」(ペイドメディア)だけでは難しいかもしれない。ブランデッドコンテンツを充実させてネイティブ広告などにものコンテンツ展開できるように、従来の広告フォーマットベースだけでクリエイティブ開発していてはダメということだろう。
 
 

ところで、
 日本以外のほとんどの先進国はテレビ事業がハードとソフトで分離している。

番組制作と放送事業を両方やっているのは日本くらいなので、欧米では番組ごとにいくらかけていくら回収するかのマネージメントがしっかりしている。番宣もどんなクリエイティブをどこに(誰に)打つことで視聴獲得にどれだけ跳ね返るかちゃんと見ている。

 制作を分離しているので、番組という商品を買い付けて視聴数に変換するマーケティングをしている。制作者(プロデューサー)がテレビ局の中で主導権をもってしまう日本とは環境が違う。とはいえ日本のスタイルでもコンテンツ(番組)をマーケティングできない理由にはならないよね。

 テレビ局も、メーカー企業の事業部やブランドマネージャーと同じで、商品つまり番組単位でプロデューサーがいて・・という仕組みだから、おそらく誰もユーザー(視聴者)データでマーケティングしようという思考は今のところまだないんだろうね。
 
 でも、これはメーカーやサービス事業者と同じで、おそらく複数のブランドを展開している企業のマーケティングはブランド横断的なユーザーデータを活用したデータマーケティング組織が絶対に必要になる。


で、
 視聴率を伸ばすには、視聴質を知る必要がある。

 「視聴質」とは、誰が観ているのかという「オーディエンス分析」と、どの程度専念視聴しているかという「アテンション分析」で把握できる。
 広告ビジネスを前提にすると、「マーケティング対象として価値のあるオーディエンスに十分な専念度で視聴されているか」ということだ。
 
 商品を買うユーザープロフィールという設定はマーケティングでは当然あるのだが、テレビ番組には視聴者プロフィールという設定がどれだけ出来ているか疑問だね。この番組のロイヤル視聴者は別のどこ番組のロイヤル視聴者かという括りをつくるだけでもグルーピング出来る。(これDMPの初歩の考え方なんだが・・・)

 そうしたらそのグループをいわゆる意味を持たせたクラスター化するために・・・。 
(調子にのって書いてると終わらくなるので)
      
続く  続かないかも・・・。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: テレビの危機とテレビ局にとってのコンテンツ(番組)マーケティング

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://g-yokai.com/mt/mt-tb.cgi/3367

コメントする

ブログ記事 アーカイブ