アドレサブルTV広告

 今回もDIニューヨークからのレポートからブログを更新。

今年の1月アドエイジ誌に、「衛星放送の競合同士であったディレクTVとディッシュTVが共同で合計2000万世帯へのリーチを売りにアドレサブルTV広告を選挙キャンペーン用に販売開始した」と報じられた。
 下記はその記事だ。

http://adage.com/article/media/dish-directv-team-addressable-ad-efforts/291303/

 アドレサブルTV広告とは、近年テレビモニターに必ず添えるセットトップボックスに向けて広告配信する技術のことで、ケーブルテレビや衛星放送を中心にセットトップボックスを契約する世帯別データを、第三者機関のデータと組み合わせて広告配信するサービスである。

Addressableつまり「アドレス出来る広告」ってことね。

CATV網が張り巡らされた米国では従来もTVへのターゲティング配信は行われてきたが、番組ごとの視聴者デモグラ情報をもとに枠を選んだり、州ごとのエリア配信くらいだった。ところが、オンラインビデオ広告のターゲティング配信に圧されたのか、衛星放送の競合会社同士でさえ共同で広告サービスを開発した。
 
 米国では今年2月、NBCを有する米CATV最大手のコムキャストが、第2位タイム・ワーナーケーブル通信会社を4.5兆円(450億ドル)で買収した。さらに続いて米通信市場最大手のAT&Tが衛星テレビ最大手のディレクTVを4.9兆円(485億ドル)で買収するに至った。
 日本でいえば、NTT、ドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの通信側と、日テレ、フジ、テレ朝、TBSなどの放送側がチームを組んで、グーグル、フェイスブックらと視聴者層争奪戦を始めるようなものである。

Ranking Cable (569x498).jpg

 図1:米国におけるビデオ視聴者数ランキング
ケーブル、衛星、通信各社の合併でもネットフリックス1社に及んでいない。(データ元:ncta.com/industry-data)

 しかしながら、この日本円で4兆円だの5兆円だのというとてつもない巨額のM&Aで獲得される視聴者数もネットフリックスにさえ及んでいない。ましてやフェースブックは北米での月間アクティブユーザーが2億人を超えている。

 またターゲティング精度が上がれば、上がるほど効率と効果の絶対量を両立することは難しくなる。それゆえ圧倒的なリーチの絶対量が必要なのである。結果競合の衛星放送会社でも手を組むわけだ。

 日本でもCATV網は1社のシェアが高いわけで、全社を囲い込んでの「Addressable」にチャレンジしてみたらどうだろう。それにBS放送なんて「衛星」から一発で全国同じ内容でしかやってないから、かえって前時代的な状態だ。地上波のTVスポット広告は本数でいうと、ナショナルクライアント半数、ローカルクライアント半分、しかもナショナルクライアントも全国一斉発売商品はその半分くらいだ。ということは、BSは地上波の4分の1(通販など基本全国に放送されてよい広告)しか受けられないということになっている。BSの経営が非常に保守的なのは残念だ。
 技術的な問題より、事業者のマインドの問題の方が大きいように思う。各社共同開発でのチャレンジをすべき時期になっている。

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