2013年10月アーカイブ

11月の上旬は日本からの訪問者で大忙しのデジタルインテリジェンスNY代表榮枝からのレポート


デロイトコンサルティングが、シアトルの50人規模の
デジタルエージェンシーを買収した記事がアドエイジで取り上げられた。
http://adage.com/article/agency-news/deloitte-digital-acquires-digital-agency-banyan-branch/244848/

エージェンシーから見た、「コンサル脅威論」は
出ては収まり、出ては収まりしつつも、
長期的には着実に成長している。

リンクの記事では、デロイトコンサルティングはAdage集計データで
「USデジタル(扱い)エージェンシー・ランキング」で24位と
紹介されている。粗利110億円(1ドル=100円)2012年

この大きさは、、デジタル売上総利益では
AKQA(22)の直ぐ下、JWT(25)、VML(26)、Possible(35)(以上WPP)より上、
というランク。

ワールドワイドのランキングに置き換えると
東急エージェンシー(36位)と、ほぼ同じ(38位)だ。

アクセンチュアも
アクセンチュア・インタラクティブとして、
イギリスのFJORDというエージェンシーを買収して。
P&G、BMW等の担当扱いを取っている。
今年5月のAdage記事
http://adage.com/article/agency-news/agencies-accenture-s-invading-turf-big-time/241338/

コンサルの王道、IBMインタラクティブにおいては、グローバル13位、
これはADK(16)より、差をつけて上だ。

コンサルタントの方が、どうも風上にあるようで、
コンサル会社が風下のデジタルエージェンシーを吸収する、
という形での侵食が見受けられるが、
逆にエージェンシー側が「コンサルタント」領域に入るケースは
見受けられない。

WPPがFabricというコンサル系ユニットを立ち上げたり、
PublicisがRazorfishにその役目を期待したり、の
風のうわさ程度が現状だ。

「クリエイティブがマーケティングのドライバー。
データはそのインフラに過ぎない」という理論は、納得できる。

ところが(経営)データは、やはり「データ・ドリブン」な企業が
結局上位に伸びているのを示しているように思える。

エージェンシー経営には、コンサルティング会社同様、
「データに対する、経営センス」は避けられない。

 リスティング広告やDSPによるディスプレイ広告を、ブランドごとにAE代理店に発注していると、同じ会社内でキーワードやクッキーを競争入札して買い上げてしまうという何とも間抜けな現象を起こす。したがって、入札運用型広告はブランド横断的な買い付けをしなければならない。

 
 米国では大企業を中心に、DMPや入札運用型広告のインハウス化が進んでいる。
インハウスと言っても、導入にはエージェンシーからコンサルが入ったり、オペレーションのサポートが入る。
 グローバルエージェンシーのすごいところは、グループ内のメディアエージェンシーのビジネスを破壊するようなコンサルをやっているところだ。日本ではなかなか考えられないが、まあ海外のメガエージェンシーではメディアのマージンというビジネスモデルは既にマイナーだから、将来を見据えてのことだろう。

 それはともかく、欧米には日本のようなハウスエージェンシーはあまりないようだ。
 
 しかし、ここに来て前述したように、ブランド横断的に入札運用型広告を担当するには、完全にクライアントを代理する立場のハウスエージェンシーということになる。

 逆に言うと、ハウスエージェンシーがこの機能を果たせないとするなら、そもそも存在意味はない。
 生き残る最後のチャンスは、プライベートDMPや3PASの運営及び入札運用型広告のオペレーションを一手に担って、欧米のようなインハウスDMP/DSP機能を果たすことだ。

 日本企業は社内に横断的組織をつくることが下手だ。新たな機能は、どこの部門の傘下にいれるかで綱引きが起こり、うまくいかないことが多い。そのためには社内の各組織と完全に等距離となるように機能分社することのほうが早い場合がある。
 
 その意味で、新たなハウスエージェンシー設立議論は起きてきても不思議ではない。
どういうスキルと人材、組織を集合させてつくるべきか、また既存のハウスエージェンシーのサバイバル戦略については、そして、そもそも旧態の広告代理店の革新のための経営コンサルにおいては、おそらくベムに最も知見があると思う。ご相談あれ。w

 スタックとは、有効なテクノロジーやスキルを集めて機能するように編成することと言えるだろう。ベストインクラス(各領域のエキスパートを集めて最高のチームを編成すること)とほぼ同義ないしこれを含む広義の概念と言える。「マーケターズ・スタック」とか「テクノロジー・スタック」と言われる。

 マーケター企業にとって、マーケティングテクノロジーを導入する場合、ひとつのツールで完結するということは滅多にない。逆に、今時、スクラッチでつくるというのもナンセンスだ。
 よって、様々なテクノロジーから最適なものを集めて、構成する(積み上げるイメージ)ことが求められる。また、そうしたツール選択、構成を指南するコンサルティングサービスが必要になっている。
 
 また導入期になくても、機能拡張期には採用導入しなければいけないもの、また逆に役目を終わるものもある。こうした進化を前提にスタート時点を構成する必要もあり、プロのコンサルはマル必だろう。


※ スタック Stack,
山、積み重ね、集積。コンピューター用語では一時保管記憶装置。
アドテクのLUMAスケープに登場する各カテゴリーのベンダーが山のように存在し、そこから抽出して組み合わせてマーケティングに活用している状態や、組み合わせ方法をスタック(状態)と称する。日々、この組み合わせは進化するし、入れ替えから新規採用までを構築、採用するスキルが求められている。

NYからのレポート

WPPが編成したFordアカウント用のTeam DetroitのようなBest-in-classをホールディング内外で集めてチームを組む、という広告企業のフォーメーショントレンドが自動車会社担当にはあるようだ。予算も大きい事もある。

このようなチーム作りを『ビスポーク・エージェンシー』と呼ぶ。混成チームとでも言いますかね。


NissanがOmnicomと共同で、Nissan Unitedというフォーメーションを発表しました。TBWAとOMD(メディア)、インターブランド、等が中心なのだが、Hakuhodoの名前も記事中に見える。

http://adage.com/article/agency-news/nissan-latest-carmaker-set-a-bespoke-agency/244525/

他の例として、並べてみると、

Team Detroit/WPP: Ford

Hudson Rouge/WPP: Lincoln (って、フォードですよね)

Team Mazda/WPP: Mazda

Commonwealth: General Motors' Chevrolet

これはホールディングも横断。

 Omnicom’s Goodby, Silverstein & Partners, San Francisco, and Interpublic’s McCann Erickson Worldwide, N.Y)

Rogue/IPG: Cadillac (Hill Holliday, Lowe and Campbell-Ewald)

Innocean: Hyundai (In-house)

ルノーはPublicisのグローバルクライアントだが、ニッサン側は、合併したPOG(Publicis Omnicom Group)は
『Best-in-Classが集まるので、歓迎』とコメントしている。

 NYで9/16に行われたプログラマティックI/O とその翌週のADWEEKは、新しいバズワードをいくつか生んだ。

 プログラマティック・アップフロント
 マーケターズ・スタック(スタックについては別途ブログ書きます・)
 などと伴に注目を集めた「アトリビューションは財務用語」

 元フォレスターのコンサルであるオコーナー女史が発信したのだが、実際にIntuiteという財務システムのインテグレータが、この概念を持ち込んで自社の「財務システム」をアピールしているようだ。

 アトリビューションといえば今のところ広告投資しかもネット広告投資の配分の最適化という範囲の話になってしまうが、広告だけでなく事業全体の財務諸表つまりPLの改善にアトリビューションという概念を持ち込んでいる。
 
 日本の企業の場合、多くの経営者はマーケティングというと広告販促という範囲で意識している。またどちらかというと広告部門はコストセンターで、予算化された費用を「まあ効率的に使え」ということになる。
営業、開発、生産、労務ほか事業全体からすれば、いくら使うと売上げ/利益がどこまで拡大できるかという投資発想より、コストとして現状の効果を維持しながらいくらまで縮小できるかに神経が行っている。
 
 データマーケティングというのは、究極的に財務諸表に結果が反映されないと意味がない。そのためには、人・モノ・カネの最適配分が事業全体の成績表にどう反映されるかをデータをもって評価し判断することになるだろう。

 日本では、ROIという財務用語がやっとマーケティング用語になるかならないかだ。逆にアトリビューションが財務用語になるかというとまだ道のりは長い。
 マーケティングのフロントライン(CMO)と情報システム(CTO)が文化の違いを乗り越えて融合しようという話に、CFOまで顔を出す話だからだが、これをトータルに判断できるCEOがいたら、それは強力な企業になるだろう。

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