広告主がオウンドメディアやデジタル/ソーシャルコンテンツの企画提案を要請する場合

 結論から言うと、テレビCMのコンペのように、キャンペーン毎に何社も何社も代理店に声をかけて、比較的短期間にコンペさせるのは考え物だ。良い提案を受けられない可能性が高い。

 まずこの領域にはそれぞれエキスパートはいるが、数が少ない。大手代理店に依頼しても、その先ではみな同じ所に声がかかることが非常に多い。それでは代理店の存在意味がない。代理店に頼むなら代理店の社内チームを指名しないといけない。もちろん代理店が連れてくる外部プレイヤーには直接オファーすべきだ。

 だいたい代理店に頼むと、営業がエキスパートとアサインするために奔走するのだが、それまでに時間をえらく使う。オリエンからプレゼンまで1カ月あるとして、3週間をアサインに費やすことも稀ではない。結局プランニングには実質時間がなくてロクなプランにならない。直接頼んでフルにプランニングに時間をかけてもらった方がいい。
 ただ、一様に代理店がだめと言っている訳ではない。エグゼキューションがしっかりしていて、実施ベースのリアリティのあるアイディアをしっかり持ってくることが多く、そこをちゃんと評価しないといけない。デジタルコンテンツは、アイディアだけで評価してはいけない。但し、前述したように代理店内のスタッフを指名することだ。

そういう意味では、デジタルコンテンツ領域では、実施力も含めて、ブランドはパートナーをしっかり選んで契約し、中長期でじっくりブランド側を理解してもらい、「あうん」の呼吸で仕事が進むようにしなければならない。

 なぜかをもう一度整理すると・・・。

① この世界のエキスパートは数少ない。競合プレゼンばかりでは良いプランニングを買うことは出来ないし、パートナーになって貰えない。
② クリエイティブやコンテンツもPDCAを廻すことになるので、中長期のパートナー化は必須である。
③ マスメディア枠のバイイングを前提としていないので、代理店のようにサービスでソフト提供は受けられない。アイディアはちゃんと買うこと。

いずれにしても、従来のマス広告キャンペーンのプランニングを買うこととは質的に違うので、従来のワンストップの代理店モデルは対応できないと考えるべきだ。AE制度が徹底したはずの欧米でも、デジタルなどの専門性の高い領域が増えたことで多数の会社に依頼するようになっている。なぜそうしているか。
デジタルに疎い代理店の営業を挟んで仕事を頼むことは、もうそれだけで良質なプランを買うことは無理だと考えないといけない。

 また、多数の会社に競合プレゼンテ―ションをさせればいい提案を受けられると考えるのはナンセンスである。提案までにしっかり時間をかけてもらうようにすることも鉄則だ。
 クライアントは選んでいるつもりかもしれないが、一方で本当のエキスパートには選ばれているということも忘れてはいけない。代理店ではないエキスパートに提案を募る場合は、ちゃんとプレゼン費用を払うことだ。常日頃多額のメディア扱いを発注している代理店と、まだ何も仕事を依頼していないエキスパートをいっしょにしてはいけない。

 本当に力のあるプレイヤーをパートナーとするには、それなりのやり方がある。欧米にはパートナーと選定するためのコンサルがいて、ほとんど彼らを使う。
 いいパートナーと契約するためには、それなりの知見や情報が必要なのだ。

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