2013年7月アーカイブ

衝撃的なニュースが飛び込んできた。オムニコムとピュブリシスの合併で、世界1のエージェンシーグループができる。グロスインカムは現在1位のWPPの1.38倍、米国だけでは何と2.15倍、米国以外でもWPPを上回る。

情報が入ってすぐに、ツイッターとフェースブックに、「こりゃまたスゴいことになって来ましたな。スケールで残るのはXaxisだけかと思ってたけど・・・。この合併で起きる事は面白いことにね。」とコメントしたが、どうやるそういう見方はこの記事でもしている。

http://www.adexchanger.com/agencies/the-publicis-omnicom-merger-scenarios-for-their-trading-desks/

全貌については、これからもっと詳細がレポートされるだろうが、さてWPPはどう出るか・・・。
マーティンはIPGは呑みこむつもりはあるのかな?

http://adage.com/article/news/publicis-omnicom-group-facts/243346/

メディア企業側からもDMP導入に関して相談を受けることが多くなった。

DMP導入に際しては、その導入目的をしっかり持たないといけない。DMPを使うことは目的ではない。何のためにDMPを使うかだが、パブリッシャーが使うとなると答えはほぼひとつ。コンテンツマーケティングのためだ。
 どんなオーディエンスがどんなコンテンツを欲していて、そのニーズを充足しているかどうかを明らかにして、より価値のあるオーディエンスをより多く獲得するためのコンテンツのマーケティングをするのでなければ、メディアがDMPを導入する意味はほぼない。

 しかしこれは、雑誌、新聞、テレビが歩んできた「プロだからハイエンドなコンテンツを送り手主導でプッシュする」という文化を変えろということになり、編集や編成制作側はとても受け入れないだろう。

 なので、そこを変える気がないなら、メディアは自前でプライベートDMPを導入してもあまり意味がないと思う。

 コンテンツ別のアクセス量というデータでさえ生かされているとは言えない状況では、オーディエンスを分析して需要を創造するコンテンツマーケティングなどほど遠い。

 ただパブリッシャーの誰かはそのうちこれを成功させるだろう。
単に、もともとユーザー側に顕在化しているニーズを充足させるだけでなく、そのオーディエンスだからこそ、そのコンテンツとの出会いを大いなる「発見」として高い価値の関与を生むコンテンツマーケティングを実践するところは必ず現れるだろう・・・。

ご縁があってベムはワン・トゥー・テン ホールディングスの社外取締役を拝命しているが、嬉しいことに今回カンヌで、ワン・トゥー・テン デザインがJ・W・トンプソンの北京の「Missing Children」でテクニカルサイドを担い、モバイルライオンでゴールドを受賞し、しっかりクレジットされた。
 接点をつくらせてもらって、JWTの上海に1-10デザインが人材を送ってまだ1年経たないが、ひとつ大きな成果が出た。

http://www.canneslions.com/work/2013/mobile/entry.cfm?entryid=36497&award=2


日本サイドのメンバーも含め、下記がクレジットされている。

石坂: CD、プロディース、ディレクション、インフラ準備
長井: テクニカルディレクション、プログラム
横田: アニメーション、テクニカルサポート
坪倉: AR部分実装、テスト、テクニカルサポート
松井: サーバサイトプログラミング
高取: テクニカルサポート

さて、この話題を紹介しようと思ったのは、今後こうした「アイディアを実現する力」としてのテクノロジー領域の力と、テックに精通しているからこそ創出できるアイディアの双方が今後のマーケティングコミュニケーション開発に非常に重要な要素となることを主張したいからだ。

 マーケティングコミュニケーションの目標を達成するために必要なコンテンツは、読み物や映像だけでは立ち行かない。読み物や映像がダメという訳ではないが、これらはものすごいスピードで消費されてしまう。よほど企業が「メディア化」を進めないと追いついていかないし、顧客を惹きつけるコンテンツとしては、「使えるサービス」であることが求められる。
 この時代そうした「使える仕組み」づくりを支えるのは深くその領域に精通したテクノロジー集団である。
 「Missing Children」もアイディアとしてはJWT北京チームで既にあったが、「実現」したのは、1-10デザインである。
 そして、実現する力は、アイディアを創出する力でもある。

ベムが、JWT上海に席を置いて今回の仕事もプロデューサー役を務めた石坂くんを取材すると、彼は中国の劣悪な通信環境のなかでの困難さを力説してくれた。またまだまだ中国ではデジタルに精通したクリエータがいないため、要求のハードルが高いことや、思いがけない領域までフォローしないといけないことが多々あったようで、仕上げるまでの苦労は半端なかったようだ。
 今回はARや顔認証のテクノロジーが駆使されているわけだが、彼らは自前で開発してしまうこともあれば、既にある最適な技術を選択し、料理することもある。

 こうした技量は、従来、広告コミュニケーションの周辺にはなかったものだ。(むしろゲーム開発の現場にはあったかもしれない。)よって、広告代理店には、こういうスキルを評価できる素養があまりない。

 なので、広告主企業のマーケティングコミュニケーションの担当者は是非、自らこういう開発力を研究して欲しい。

 どういうテクノロジー知見が存在していて、彼らがどんな「使えるサービス」を開発しているか、そうした技量からどんなアイディアが創出できるか、自社ブランドに当てはめれば、どんなコンテンツ開発にチャンスがありそうか、そういうことを研究して欲しい。

 彼らのような集団は、マンパワーの関係で自分たちの開発力やアイディアを広告主にアピールすることに長けていない。というか、従来の広告のプレゼンテーションの流儀のなかでは上手に引き出してあげることが少々難しいのだ。(その意味では広告主の方が彼らに提案させることに長けていない。)
 
 次世代のマーケティングコミュニケーション開発に意欲のある広告主企業のマーケターは、是非彼らに歩み寄って、技量の引き出し方については、従来の広告代理店へのオリエンというかたちや、あまり期間のない多数社の競合プレをさせるようなやり方でなく、ちょっと違う付き合い方を望みたい。それが広告主にとって返って損にならないからだ。

 ベムも大いにサポートするので、こういう技量を是非育てていただきたい。それが何よりブランドのためになると確信している。

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