ネット広告「次に来る波」

 「枠」から「人」へ という広告にとって大きなパラダイムシフトについては書籍ほかでアピールしてきたが、この構造変換を実現するDSP/RTBに関しては、日本ではまだまだリタゲのためのツールにとどまっているきらいがある。

コンバージョンの直前流入だけ測定してみると、まだまだリスティングが最も効率的という企業は多いだろう。次にリタゲ、あるいはリコメンドリタゲのような少し拡張型とリターゲティング拡張・・・。米国のようなオーディエンスデータを活用しているところはまだまだ少ない。
 実はベムは日本で初めてリターゲティング拡張による配信実験を行った経験がある。拡張ロジックはあるリコメンドエンジンを使ったものだった。その経験からすると、リタケ拡張を効果のあるものにするには、拡張ロジックもさることながら、実際に配信しながらのチューニングが欠かせない。ひとつのアルゴリズムがすべてを解決するという訳にはいかない。その意味では実配信を多く経験し、チューニングで精度を上げる学習が必要である。(これは拡張以前のリタゲでも言える。)
 
 リタゲが多すぎると、せっかく関心をもってくれたユーザーにしつこく配信し過ぎて、ブランドを毀損するという議論もある。確かに杜撰な設計のリタゲ配信には、そういう恐れがある。しかし広告主の多くは、そうはいっても「それなりに獲得効率が良い」リタゲに効果が見込めるので、(しつこいと感じる人はそもそもコンバージョンしてくれないユーザーでは?)と考えると、刈り取れるところに手を打つのは当然かもしれない。検索による効果が頭打ちになっている広告主も多く。ディスプレイ広告に残されている効果の余地を探っている感じだ。
 しかし、おそらくサイト訪問履歴のあるクッキーという配信対象だけでは早晩その効果は枯渇することは目に見えている。マスも使ってサイトに大量誘導をかけられる企業(関心顕在化層へのリピート訪問、リテンションの余地がまだまだあるブランド)はいいが、枯渇が想定される企業は、自社ブランドにとってのリタゲ拡張の有効なロジックの学習と、もうひとつ来るべきサードパーティのオーディエンスデータ活用に向けて、勉強を始めた方がいい。
 というのも、サードパーティの出来あいのデータを使って、すぐ効果が出ると甘く考えない方がいいからだ。逆に言うと、自社のファーストパーティデータとサードパーティデータをぶつけてみて有効なオーディエンスデータを構築できる企業とそうでない企業の差は大きく開く。
 このあたりの個別ブランドにとって有効なオーディエンスデータ構築にはそれなりの難しさがある。そこは我々コンサルの腕の見せ所ではある。
 オーディエンスターゲティングの実力発揮は、ファーストパーティクッキーの最適化を経て、訪問履歴やコンバージョンユーザーの文脈や、近似性をどうチューニングして、すでに行動を起こしたユーザーのデータから、未来の顧客(新規顧客獲得)をターゲティングするかというテーマ領域に入っている。

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