震災前、震災後

  まだまだ安否不明が何万人もいて、最終的な死者行方不明者が確定する見込みさえありません。また原発の状況も予断を許さないどころか、凄まじいレベルの放射性物質が確認されて作業ができないという苦境の最中です。こんな折に、今後の話を先走ってするのは憚るのではありますが、少なからずマーケティングという仕事に携わっている会社を経営する立場で、今後について思うところを記述しておきたいと思います。

 日本にとっては、これは戦前、戦後というエポックの次に大きな転換期になると思われます。何年か何十年後に「震災前、震災後」で日本の歴史が語られるということです。それほど日本人の生活や仕事は大きく変わらざるを得なくなりました。
 また今後はこうなるであろうと想定されていたことは、前倒しでやらざるを得なくなります。消費税増税、製造業以外の企業の海外進出、エコ型消費スタイル・・・、当然そうなるべき方向にあったことがらは加速するでしょう。
 政府や企業や個人、いろんなレベルで「踏ん切り」がつくのです。いろいろ従来のしがらみで決断できずにいたことがらが、先送りできなくなるのです。

 企業のマーケティングもそうです。山本直人さんのレポートにあるように、すべてのマーケティング活動には「社会性」という視点が欠かせなくなるでしょう。

http://www.naotoyamamoto.jp/yamamoto-report/Yreport_110317.pdf

と同時にマーケティングのパラダイムシフトは、予想より早く進むことになるでしょう。変えるべきものは変えていく。逡巡が許されるほどの余裕がなくなると言ったほうがいいのでしょう。一定の落ち着きが得られるまでは、状況を静観するでしょうが、震災後のアクションは意外に早いものになると思われます。

「節約生活」をあらためて行動様式に取り入れることの意識は、個人の生活以上に企業の行動様式として反映してくると思われます。当然マーケティング投資のROIを吟味することをステイクホルダーへのアカウンタビリティとして義務づけられるでしょう。少なくても「国内市場で無駄な投資をしない」という感覚は今まで以上になるはずです。

さて、マーケターやコミュニケーション産業に従事する者は、この震災後の変化にどう対応すべきでしょうか。ますますもって従来の成功体験はマイナスの知見として見られる覚悟をしなければなりません。広告人ひとりひとりが自分のスキルがどんな付加価値をもっているかについて決定的な評価に晒されることになります。
震災後の好ましい「社会性」とは何か、またマーケティングはどう貢献できるかを、広告ビジネスというような狭い捉え方ではなく、日本人、生活者個々人にとっての価値、市場にとっての価値をどう創造するかという視座から広告主企業と話ができる存在である必要があるでしょう。

こういうことが出来ない人員の淘汰が想定していたよりかなり早く始まって終わると思います。相当な覚悟で日本における広告ビジネスに臨む必要があるでしょう。

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