インターネットを始めてかれこれ17年  ~その前を含め30年のPCとのつきあい~

 ベムがインターネットを始めたのは確か93年ごろで、伊藤穣一君に勧められて、当時彼が日本の代表をしていた最初のインターネットプロバイダーPSInetの会員になった。そのころはまだ、ブラウザというものはなく、カメレオンというインターネットキットには、メール、ニューズグループ、ゴーファーといったソフトがあった。私はニューズグループで、ネット上にあるmidiファイルを収集しては、ライブラリーをつくったりしていた。

 私のコンピュータとの出会いは、学生のころのフォートランで、言語間の「距離と方向」を多変量解析をかけてプロットするのに使っていたと記憶している。その後、入社した広告会社でSORD(ソード)という会社を担当していたため、漢字PIPSと呼ばれた、今でいうと表計算ソフトを使って、TVスポットのスケジュール表なんかをつくっていた。(今でも某広告会社のスケジュール表フォーマットは私がつくった大手ビール会社さん用である。)このころ私の会社が三浦海岸で市民マラソンイベントの運営をしていて、3000人からのランナーが走るなか、その日のうちに順位とタイムが印字された賞状を渡すことができる仕組みを、ソードのPIPSを使って実施していた。入社直前のアルバイト時代から何年か携わったのだが、当時今のヤフー井上社長もSORDの技術者としてこのイベントに関わっていらした。以前井上さんと会食した折に、その話をしたら、「海岸で一生懸命バグ直しをいたんで、顔を合わせていたんでしょうね。」という話になった。
 その後、MS-DOSの時代になって、日本にはなかったプレゼンテーションソフト「ハーバードグラフィックス」(スライドショーが格好良くて)を使いたくて、DOS-V機を買ってしまった。回りはNECの98が全盛期のころで、みんな98で企画書を書いていた。当時ラオックスコンピュータ館の4Fが全フロアソフト売り場だったが、9割が98ソフトでマックが棚4~5くらい、DOS-Vは棚半分もなかった。世界中に何万本もソフトがあるからという文句に騙された。
 そうしているうちに、インターネットに出会う。実はパソコン通信をしないで、インターネットを始めた。非常に稀有な例のPC体験ではないかと思う。

 そして、今年iPadを手にして、思うことがある。私の30年に及ぶコンピュータとのつき合いは、実に試行錯誤と苦労の連続で、基本誰もしっかり体系的に教えてくれないし、せっかく誰よりも早く始めても、機能を使いこなすのは皆後から始めた若い人たちだし・・・という具合。結局本当のところはパソコンに馴染めない。結局いろんなことを強いられる訳で、使っているのか、使われているのか分からない何か化け物のような存在だ。

しかしiPadはどうだろう。途中でボタン押して閉じちゃえば、イライラしないし、ユーザーインターフェイスがここまで使う側にフレンドリーなのは初めてだ。今年80歳の私の母は今、私があげたiPadで「文字が読みやすい」と文庫シリーズを読んでいる。また子供たちに持たせると、本当に楽しく使いこなすようだ。

 今、私のiPadはベッドに転がっていることが多い。仕事にも使うが、寝る前にYoutubeでロックギタリストの演奏を観ることが多い。
 この夏は、irigというiPhoneやiPadをアンプとエフェクター代わりにしてギターが演奏できるツールが発売されるので、予約して今から使うのを楽しみにしている。
 
 インターネットはパソコンに繋がって始まった。今は携帯電話に繋がっていて、もうじきテレビに繋がる。今後は冷蔵庫や楽器や住宅そのものに繋がるだろうし、ウエラブルなもの(たとえば時計やメガネ)にも繋がるだろう。私は日本経済を画期的に再興させる技術はウエラブルな自動翻訳(通訳)機ではないか(ツールの力で日本人がみんな英語でコミュニケーションがとれる状況)と思っている。
 パソコンはその汎用性のために、ユーザーにとって中途半端にブラックボックスなもので、ある程度はプログラムやHTMLみたいな言語に精通する方がより活用できた。テレビはどうして動画が映るか全く理解する必要はないが、iPadはほぼそんなツールだ。
 理系でもないし、技術者でもない私のPCと向き合う歴史は、今年から劇的に変わるような気がする。とにかくすごくいい事だ。

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