サッカーにおけるデータマイニング

 今では、サッカーの試合での各選手の走破距離データや、動きの軌跡、トップスピードの測定など、様々なデータを取ることができるようになった。カメルーン戦では遠藤が一番、二番が本田とそれぞれ1試合で11キロ前後走破している。もちろん質の問題もあるが、まずは走り勝たないと、フィジカルに差がある日本選手に勝機は乏しい。
企業のマーケティング活動をWeb解析ツールなどを中核に、ダッシュボード化して最適化を測る「ダッシュボード戦略」を標榜し、かつサッカーの名門清水東高校が母校のベムとしては、サッカー競技におけるデータマイニングにはたいへん興味を覚える。
 さて、スポーツに関わるデータが実はこんなに取れるということを、7~8年前に知った。それはデータスタジアム社との出会いで、最初に見せてもらったのは今「データストライカー」というサービスになっているものだったと思う。実際の映像からデータを起こし、そのデータに意味づけして可視化するという手順だと思うが、最近は特定選手の動きをすべて自動的に(カメラ画像やレーザーセンサーを使っているらしい)トラッキングできる技術がどんどん出てきている。
 ベムの友人のサッカーの専門家の後藤さんの言だと、日本チームはまだ全然走ってないのだそうだ。つまり、味方がボールを奪って速攻をかけようという時に、誰も全速力で走ってないらしい。ここぞという時のゴール前にラッシュする迫力が足りないのだ。これは1試合で何キロ走ったからというデータに出てこない。
 また氏いわく、「もっと斜めに長い距離を走ればもっとチャンスはひろがる。例えば阿部が奪ったら、長谷部が右外へ、松井が中へ斜めに走る。右の一番外を駒野が駆け上がる。」と例を上げた。ただ「運動能力で劣る日本は、早いパス交換にシフトした。これが効果を発揮してアジアでは勝てるようになった。でもこのやり方は選手のプレーエリアを限定する方向に向かう。だから斜めに走るとチームのバランスが崩れて、ディフェンスができなくなる。」と指摘している。
 オシムの「考えて走るサッカー」は、もうひとつ上に行くためのサッカーだったかもしれないが、今に至っては分からずじまいだ。

 データから読み取れるのは、「現象」だが、それを知って「じゃあどうするか」を判断するために「ダッシュボード」はある。飛行機の操縦といっしょだ。サッカー競技のデータはたしかにひとりひとりの走破距離と軌跡は分かるが、お互いの連動性や瞬時のスピードアップがどのくらいできているかを局面で抽出する必要がある。これをするには、まずプレーの質や戦略に対する知見があって、分析シナリオがあるから一部のデータにフォーカスでき、そこで初めても見えてくるものがある。
 マーケティング活動も、広告コミュニケーション全般の知見がないと、こういう仮説立てができない。私が云うところの「広告コミュニケーションの理解がある人が、アクセス解析ツールを必死で勉強するから新しいスキル(価値)が創出される」というのはそういうことである。

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