2010年4月アーカイブ

デロイトトーマツコンサルティングがWebサイトに公開した「メディア・デモクラシーの現状」という調査レポートをじっくり読んでいる。

http://www.tohmatsu.com/assets/Dcom-Japan/Local%20Assets/Documents/knowledge/dtc-pdf/jp_k_mds2010_160410.pdf

対象になっているのは、日本、アメリカ、イギリス、ドイツの4カ国で、各国の消費者がメディア、娯楽、情報とどのように関わりあっているか、国際比較を通じて現状と把握すると同時に、今後の動向予測に資するというものだ。

日本では、他の3カ国に比べて、
・オンラインメディアや娯楽などの個人消費に積極的
・ネット上の人間関係構築や情報発信、能動的な活動に関しては消極的
・広告配信に関しては総じて寛容

メディアの消費動向で見ても、PC以外、特に携帯でのインターネット接続時間はほかの3カ国に比べ格段に多い。
他にもオンライン雑誌の定期購読が他国より多かったり、最も影響力のある広告媒体としてインターネットを回答した比率も格段に多かったりしている。

これを見ると、広告メディアにおけるインターネット広告シェアはまだまだ成長する余地があるということと、他の3カ国より消費行動へのネットの影響力が大きいし、ネット広告への受容性も高いのに、シェアが低い原因を掴みたくなる。
要するに消費者は進んでいる。マーケターと広告会社の対応が遅れているとしか評価できないのだが・・・。

 最近、iPhoneのアプリで「nuTsie Top 100s by year」をダウンロードして昔の名曲を聴いている。特定の曲を選ぶことはできないが、何年かを選んであとはランダムに流れる。気に入らなければ次の曲ボタンだけ押していけば、基本1947年から2009年までのTop100合計6300曲が聴ける。しかも230円で・・・。

 洋楽が日本でも大きな存在感があったころが懐かしく聴けるのが、このTop100sだ。私の年齢だからということもあるが、21世紀になってからのアメリカのTop100の曲はほとんど知らない。残念だが聴いても何にも感じない。やはり10代の感性にしか響かないのだろう。
 自然に70年代を中心にTop100の年を合わせてしまう。ロックのリスナーとしての感性が多少ともあったのは87年くらいまでのような気がする。このころより少し前から洋楽を中心に、音楽が仕事になってしまってから、好きな音だけを聴くということをしなくなってしまった。だから洋楽特にロックファンとしての実質的なリスナー歴は、アルバムとしては最初に買った69年のアビーロードから87年のU2ヨシュアトゥリーくらいまでの約20年間だ。

 で、このnuTsie Top100にはロックメガパックというのがあって、60年代、70年代、80年代といって年代別や、Top Guitar Solo、Top Guitar Riffs、Top Drum Performanceなどなど切り口がいくつもあって面白い。
 ただ、選曲がアメリカ的なのかどうか、ちょっとセンスが違う。Twitterで我々の考えるTop 100を選曲するのも楽しいかもしれない・・・。

このブログも当然、google analytics でアクセス分析をしている訳だが、4月になってからリファラーに大きな変化が出ている。今年になってからもリファラーのトップは常にgoogleからで、20%~25%だったものが、4月はTwitterからが逆転してトップになった。

4月は今のところ、Twitterが20.83%、google.co.jpが15.90%という感じだ。(google.comを入れてもTwitterの方が多い。)
 1~3月のTwitterからが7%~15%程度で、じわじわと比率が上がってはいたが、ここに来て一挙に逆転した。また「はてな」をはじめとするソーシャルブックマークからの比率も少し下がった。

 だいたい最近はブログへのコメントやトラックバックもめっきり少なくなった。反応はTwitter上に上がる。

 Twitter効果はログにしっかり出ている。

ADKインタラクティブの社長主催の社内セミナー「横山塾」の実施内容がADKインタラクティブ総研ブログに掲載されている。

http://aii.adk-i.jp/

内容を下記に転載した。

「横山塾」講義

第1週:広告ビジネスの現況と今後(横山)
第2週:トリプルメディアの発想と次世代広告コミュニケーション(横山)
第3週:デジタルセントリックなコミュニケーション開発(横山)
第4週:デジタルソリューションの全体像(横山)
第5週:アドテクノロジー研修 ネットメディアプランニングの実際(DAC秋葉氏)
第6週:Webサイト構築の実際(エクスペリエンス橘社長)
第7週:Webサイトのユーザビリティの実際(beBit遠藤社長)
第8週:アクセス解析ツール活用実践(ADK-i鹿毛)
第9週:SMO概論 ソーシャルメディア対応(ADK-i太駄)
第10週:モバイルサイト構築の実際(駅探河野氏)
第11週:モバイルサイトの実際 EC(ゆめみ深田社長)
第12週:モバイルサイトアドネットワーク(スパイア岡部氏)
第13週アドネットワークとアドエクスチェンジ(横山)
第14週:SEM概論(ADK-i鹿毛)
第15週:リスティング広告とSEO実践(アイレップ紺野社長)
第16週:アドテクノロジー研修広告効果測定ツール(beBit三宅氏)
第17週:メディアとしてのmixi活用法(mixi辻氏)
第18週:アドテクノロジー研修アドサーバー:最適化とリッチメディア(DAC手塚氏)
第19週:アドテクノロジー研修 モバイルソリューション(DI水野社長)
第20週:アドテクノロジー研修 アドビの技術(アドビ太田氏)
第21週:マス広告のプランニング 新聞広告(ADK喜島氏)
第22週:マス広告のプランニング 雑誌広告(ADK久米氏)
第23週:マス広告のプランニング テレビスポット(ADK甲斐氏)
第24週:マス広告のプランニング テレビ番組(ADK甲斐氏)
第25週:マス広告のプランニング ラジオ広告(ADK南氏)
第26週:交通広告のプランニング (ADK飯塚氏)
第27週:クロスコミュニケーション事例解説(ADK井上氏)
第28週:メディア戦略の構築プロセス(ADK亀井氏)
第29週:クロスコミュニケーションプランニング事例(ADK関氏)
第30週:クロスコミュニケーションプランニング事例(Jazzup井上代表)
第31週:クリエイティブの実際(ADK川越氏)
第32週:プラン立案のための確認ポイント(ADK沼田氏)
第33週:バイラルコミュニケーションの創り方(ADK木田氏)
第34週:デジタルメディアと生活者2010レポー(ADK宇賀神氏)
第35週:クリエイティブの実際~ロボット~(ロボット加藤氏)
第36週:最新事例から読み解くキャンペーンの潮流(ADK-i総研太駄氏)
第37週:クロスコミュニケーション事例(ADK竹内氏)
第38週:「Is big media embracing social media?」(ADK原口氏)
第39週:Adobe&Omniure (アドビ 太田氏・小川氏)
第40週:伝わるプレゼンテーション オリエンテーション(ADK甲斐氏)
第41週:伝わるプレゼンテーション プレゼンテーション(ADK沼田氏)
第42週:Googleのマーケティングツールを使い倒す(ADK-i鹿毛)
第43週:プランニング演習 ①
第44週:プランニング演習 ②
第45週:プレゼンテーション演習
第46週:卒業試験 「インターネット広告検定」初級
第47週:卒業試験 「インタラクティブプロデューサー資格試験」


講演のドキュメントだけでなくビデオ録画をしてあるそうだ。

DSA.gif広告会社のスキルがデジタル対応していくには、いったんデジタル領域をどまんなかに置いて再構成していく必要がある。中心をデジタルとして、周辺に従来のスキルとの接点にそれぞれ融合することでできる新しい価値づくりに挑戦すべきである。

もうひとつの重要な視点は、広告コミュニケーションが分かる人材が、一生懸命テクノロジーを勉強することである。例えばWeb解析ツールは従来システムベンダーさんが主にセールスしてきたと思うが、これを広告マンが勉強して身につけてこそ意味がある。Web解析のデータから意味を読み出す作業は、「仮説立てをして、まずは余計なデータを捨てることから始めなければならない。」こうした作業は広告マーケティング、コミュニケーションが理解できていないとできないことだと思う。何度も言っているが、広告業は広告本来の仕事はシュリンクして、周辺の領域との接点に新しい仕事が拡大している。もともと持っている広告マンのスキルと周辺領域のスキルを融合させて始めて、我々の仕事は増える。

 今までどおりのスキルで広告業を続けることは無理なのであって、新たなスキルを身につける気がない者は早く退出した方がいい。まわりには迷惑な存在でしかない。またこういうことを認識できない経営者こそ一刻も早く引退すべきである。若い従業員がかわいそうである。


 
 

expert_2[1].gif

ADKインタラクティブのWebサイトの採用ページの先に掲載されていたエキスパート制度の図。

「インタラクティブプロデューサー」みたいな人材のニーズが求められるのは云うまでもないが、そう簡単に育成できるものでもない。またそうしたスキルを育成するプロセスもまだ試行錯誤の段階だろう。
その意味で、こうしたスペシャリティをそれぞれ身につけていくやり方もある。

広告コミュニケーションが分かっている人間が、Web解析ツールなどのテクノロジーを一生懸命勉強することで初めて開発される価値というものもある。

また「インタラクティブプロデューサー」という知見も、ひとつひとつの積み重ねなので、こうしたエキスパート的な知見を体得していってプロデューサーになれる。デジタル&インタラクティブな領域はしっかり網羅しているが、特にこの領域はエキスパートだというT型人間が、本当のインタラクティブプロデューサーかもしれない。


DSP1.gif 前回のエントリーで、「アドエクスチャンジを真ん中にして、アドネットワークまでのセルサイド、DSPなどROI最適化のための第三者配信システムと書いたが、よく分からない表現だったので、説明し直す。

 従来、「広告主」→「エージェンシー」→「パブリッシャー」ないし「アドネットワーク」←「配信システム、メジャーメントシステム」というバリューチェーンだったのが、アメリカではもっと複雑に進化している。

 表のように真ん中に「アドエクスチャンジ」があって、左側にデマンドサイド(すなわちバイイングサイド)、右側にサプライサイド(すなわちセリングサイド)という図式である。それぞれの箱のなかに具体的にどんなプレイヤーが入るかは別途取り上げるとして、日本には第三者配信サーバーを核として、広告配信の最適化を図るデマンドサイドのソリューションがほとんどない。こうしたPaid Media におけるクライアント向けソリューションが発展しないと、広告主のマーケティングコストはどんどんOwned Media と Social Media 施策に振り向けられる可能性がある。
 ネット広告のセルサイドは、もっと自分たちのメディアがクライアントのソリューションのひとつであることを意識して、対応していく必要がある。

 一例を挙げれば、「コンバージョンパス分析」で書いたように、第三者配信環境を整備しないが故に、クリックベースのみのパフォーマンス評価(CPA)の逆算で、CPMの相場が出来上がってしまっていることをメディア自身がもっと気づかなければならない。自身のメディア価値を「直前クリック」という一部分でしか評価されていないこと、またクリエイティブの最適化によって得られる効果を、クリックベースだけ見ているが故にほとんど測定できていないことなど(Last Click しか評価しないとそうなる。)で広告効果そのものが実際より小さく見積もられていることを再認識する必要がある。

 セルサイドがもっとバイサイドのための仕組みに対応することは、自身の価値を従来より高く評価させるチャンスであることを、改めて言明しておきたい。

 日本の広告会社は、「クライアントのために様々なソリューションを提供します。」と云いつつも、一方でメディアのセルサイドの立場(例えばメディアの枠を買い切っている)もあることが、広告主をしてこれを訝しく思わせている。

 私はネット広告の仕組み(アドサーバーによって、コンテンツ配信と広告配信が分離された)によって画期的なことが起こったと思っている。それは、広告を従来よりはるかにバイイングサイドの理屈で実行できる環境になったということである。確かに広告の掲載面としてメディアのスペースを利用するのだが、配信対象はあくまで広告主が配信したいユーザー(ブラウザ)であって、特定の掲載面ではない。インターネットの場合、ひとつのメディア、ビークルそのものに広告価値があるのではなく、それらのユーザーに価値がある。メディアのもつコンテンツの価値はどれだけマーケティング価値のあるユーザーの視聴を獲得できるかという点に収斂する。

 広告主にとって、買っているメディアの価値は、ROIを算出して測ることになる、これは当然である。しかしメディア側からすれば、それはAという広告主にとっての価値であって、それがすべてではない。だから、日本でも欧米のようなアドエクスチャンジが成立して、「売りたい価格」と「買いたい価格」で市場が形成されることで適正価格となるだろう。

 そうなって行くと、広告会社は、どちらをレップするか明確にスタンスを問われることになるだろう。ネット広告もメディア、アドネットワークまではセルサイド、真ん中にアドエクスチェンジがあって、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)などのROI最適化のための第三者配信システムなどはバイサイドということになる。この構造はそのうちネット広告だけのものだけではなくなるだろう。

 メディアバイイングはクライアントに提供するソリューションのひとつである。決して別々ものではない。ただメディアセリングになるとソリューションとの整合性を欠く可能性はある。これからは、セルサイド自身のメディアが、もっとクライアントのソリューションの一環になることを意識することが重要だ。そのためにメディア同士が連携して、相互のソリューション力を高める努力も必要だろう。

月別 アーカイブ