マーケティングROI測定の考え方

 約100年前、「近代広告の父」と呼ばれたJohn Wanamaker(1838~1922)が有名な「広告費の半分が無駄だということは分かっている、だが問題はどの半分かが分からないことだ。」という言葉を残している。

 従来も広告の効果指標をどこに置くかによって手法は違うものの、事前、事後調査などで広告効果を評価することは可能だ。しかし、広告活動のどこが効いていて、どこが効いていないかを把握して、マーケティング投資を最適化したいという広告主の期待に沿うには、効果をマクロでみるだけでは不十分だろうと思う。
 つまり、ひとりのユーザーを捕捉して、どのような広告接触を経験して、Webではどんな行動を起こして、店頭でどういう購買行動を起こしたかを把握する必要がある。もちろん全数調査は不可能だが、統計学的に十分なサンプルで、シングルソースデータを分析することで、全体を把握することができる。
 そしてこうしたことが、Webを測定装置として活用することで実現可能になってきている。

 私は、ROI測定を3類型に分けている。
第1類型は、Web完結型でほぼビジネスのゴールに対する広告投資の最終効果を把握できるモデル。ネット通販など顧客獲得装置がネットであればこうしたことが分かる。マス広告の効果も、実施タイミングとWebでの反応を見ればほぼ把握できる。

第2類型は、リード獲得型と呼んでいるが、自動車のようにネットで販売するわけではないが、カタログ請求などをWebで行った見込み客を、リアルな営業マンに繋いで成約を獲得したらデータをフィードバックするモデルである。

第3類型は、非リード型と私が呼んでいる飲料やトイレタリー商品のようなカテゴリーだ。このようなカテゴリーでは、マス広告やリアルなプロモーションと、Webなどのデジタルな装置、そして店舗(POSデータなど)がそれぞれ独立していて、連続的な把握が難しい。

 第2類型ではセールスフォースのようなツールを使うことで、最終的なビジネスのゴールをもってマーケティングROIを把握することが可能だ。また第3類型もデジタルなツール、決済システムなどの応用で実現できる。

 アメリカ人のアクセス解析ツールのシステムベンダーの人と会話したときに、彼は日本にはモバイルや電子マネーが普及していて、データを繋げる可能性が欧米より高いと話していた。

 確かにそうである。
アメリカでは、巨大なデータを取り込んで、あらゆる傾向値を分析するシステムがどんどんできている。またWebのアクセス解析ツールに、広告の配信サーバーやセールスフォースのようなシステムもAPIで繋がれていく。

マーケティングROIを測定管理しようとする試みは、大きなうねりとなって始まったところである。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: マーケティングROI測定の考え方

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://g-yokai.com/mt/mt-tb.cgi/3089

コメントする

ブログ記事 アーカイブ