広告業界市況

 オリンピックの年だというのに、日本の広告界の業況が芳しくない。

 これは世界的な現象なはずだが、燃料、原材料費の高騰で、企業も大型の広告キャンペーンを行なうブランドを絞り込んでいる。おそらく大型のキャンペーンの案件そのものが少なくなっている。

 一方アメリカを中心に、景況感が悪いにもかかわらず、2007年の世界的な広告市場の伸長率は高い。2008は厳しいものの、日本ほどは暗くないようだ。

 世界の傾向でいうと、広告会社のドメインは、いわゆる「広告(アドバタイジング)」のシェアは年々少なくなっている。広告制作、メディアバイイングは半分程度で、あとはPR、プロモーション、デジタル、専門分野(医療など)やいわゆるDAS領域で構成されるようになった。
 で、成長を牽引しているのが、これら広告周辺領域のビジネスである。

 欧米のメガエージェンシーグループはもちろんこうした周辺領域のスペシャリストをM&Aを中心に傘下におさめて展開している。当然専門性の高い会社をまるごと買って、そのまま機能させて成功している。

 日本の場合、広告ビジネスの領域の広がりや、周辺ビジネスの拡大に対して、広告会社の対応力が低い。またその戦略性において、欧米のようなダイナミズムに欠けているといわざるを得ない。
 日本では、営業会社である広告会社本体機能を上げようとする傾向が強いが、M&Aなどをしてもスタッフ機能強化だけではあまり意味がない。つまり現状の広告会社の人間が、つかまえきれていない得意先や、できていないサービスを実施している営業会社を買えばいいのに、あまり営業力の水平展開をしようとしない傾向がある。

 現在のように、広告ビジネスの領域が広がると、スタッフに専門性をもたせるだけでは機能しない。営業ラインそのものに専門性のある集団をもつことが重要で、各々の領域に営業スタッフ機能が一体化した、最適化した編成が必要である。広告会社のような様々なサービスを展開する業態では、欧米型の持株会社によるグループ会社編成が求められるようになるだろう。それによって現在の広告会社のもつ顧客に対して、より広告周辺サービスの提供を可能にすることが、足腰の強い構造の業態にする道だと思う。


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