次世代タイプの没入型キャンペーン ARGとは? 2/3

ARGという新ジャンルについての紹介を続けよう。
ある体験を共有するコミュニティには独特のワード使いが見られるが、このARGにもいくつかそうしたワードがある。

This is not a game.
通常のゲームデザインは、分岐によるパターンの組み合わせで一定のインタラクションを用意したもので、リセットしたり繰り返したりできるが、現実(リアル)の時間の流れは、常に次に何が起こるかは不確定であるし、時間である以上、当然巻き戻しやリセットはできない。不可逆性が付きまとう。やり直しの効かない瞬間の連続がスリリングであるという当然の事実を、このARGは見事に取り込んでいる、といえる。基本的な設定とゴールまでの大筋はARGのリードライターによって創作されるが、実際の展開は誰も決めていない。それは、参加者とパペットマスターのある種の駆け引きで進行されるのだ。

Puppet Master
ゲームの参加者に対して、パペットマスターと呼ばれるARGの進行管理役は、カーテンと称される敷居によって隔たれ、決して参加者が触れられる存在ではない。パペットマスターは、参加者に対してゲームの進行に必要なさまざまな情報を謎めいた演出でリリースし、時に参加者同士が協力しながらその謎の断片をつなぎ合わせたり解読したりしてゲームを進めて行く。ある事例では、あまりに謎を仕掛けすぎたパペットマスター側が自ら袋小路にはまり、ゲームの進行が危ぶまれたときに、ある参加者が提供したプログラムによってその解法が見つかり、無事ゲームは終了できたという話しもあったほどだ。

Rabbit Hole
うさぎの穴、パペットマスターが仕掛けるゲームへの入り口をこう呼んでいる。もちろんそれは不思議の国のアリスがファンタジー世界/異空間に入る穴から来ているものだが、ARGにおいて、それは例えば映画の予告テロップに実在しない人物の名前として隠されていたり、文字のひっかき傷が電話番号になっていたり、ある公衆電話から届けられたり、置き去りのUSBメモリや、謎めいたデザインのTシャツだったりと、それは決まった形を持つものではない。

これまで、映画の事前プロモーションとして、あるいはゲームの世界観を拡張したものが多かったが、新車が盗まれたというプロットで自動車ブランドが取り入れたり、石油がなくなった世界をシミュレーションするというような、集合知による社会貢献という視点のARGも数多く現れてきている。
★ARG情報:http://www.argn.com/
さて、次回はこのARGを歓迎する現在の生活者というものをあらためて眺めてみたい。

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