2008年4月アーカイブ

 交通広告の到達力は、まずは乗降客数をサーキュレーションとしてカウントする考え方がある。いちおう接触することが可能な人数だから、もちろん確実な接触者数ということではない。

 そのサーキュレーションだが、一日の平均輸送人員は、JR首都圏全線が、23,790千人、
JR3線(山手、中央、京浜)で、21,207千人、東京メトロが7,352千人、私鉄(城南3線)が6,095千人だ。
 関西圏では、JR大阪が、5,609千人、大阪地下鉄2,280千人、阪急1,740千人。中京圏で、JR東海606千人、名古屋地下鉄1,119千人という具合だ。


 交通広告の到達データに関しては、基本的に広告会社各社はビデオリサーチ社のSOTOを使うか、これをカスタマイズして使用していると思う。
 これには、いくつかの基本指標がある。

 日本の広告費における交通・屋外広告は、マス広告が3年連続で前年割れをしているなかにあって、交通広告が2006年で前年比103.1%、2007年が102.0%、屋外広告が2006年で前年比103.7%、2007年が102.4%と比較的堅調な伸びを示している。

 交通広告と屋外広告を合わせると、広告費全体に対してのシェアは9.5%と、テレビ、新聞に次ぐことになる。(ネットよりまだ大きい。)

 交通広告は、生活導線で必ず接するメディアであり、移動中の生活者と店頭(販売時点)を繋ぐ接点といえる。
 例えば、下記は独身OLの平日の生活行動と体験接点である。

 日本版の製作発表もあってご存知の方も多いだろうが、元ディズニーのCEOマイケル・アイズナーがオンライン通信向けに映像コンテンツ制作スタジオ「VUGURU」を設立し、第一弾プロジェクトとして製作したのが「Prom Queen」だ。
 
 プロムとはアメリカの高校生にとっての一大イベントである卒業記念パーティで、ここでプロムクイーンに選ばれることは女学生の最大の名誉。これを舞台にして様々なキャラクターな登場する。
 アイズナーはこのコンテンツをネット専用として製作し、コカコーラのプロダクトプレイスメントなどを導入し、マイスペースなどで展開した。この90秒×80話というスタイルは、ある意味非常に新しい。1編1編はむしろ短時間であることが、ネット社会でのザッピング型の視聴スタイルにはまりつつ、ユーザーの自己関与性つまり「のめりこみ」を誘発する仕組みになっていると思う。

ここまで紹介してきたARGは、ひとつのジャンルとして近年確立してきたものではあるが、もちろんこれまで全く存在しなかった手法というわけではない。似たような事例は規模こそ違えどさまざまなレベルで実施されてきたともいえる。そしておそらく今後もARGあるいはそれと類似した手法は増えていくと思われる。

わたしたちは広告人として、この現象をどう見たらいいのだろう。
わたしは同様の背景を、テレビにおけるリアリティショーの台頭、あるいは「24」「LOST」などの高視聴率連続ドラマに見ている。そこには巧妙に「現実感」が取り込まれている。そこにはこれまで「作り手」がこれだけやれば観客は喜ぶだろうと簡略化して表現してきたレベルや、「表現者」がこれを言いたかったというような目線でつくったストーリーを超える、さまざまな情報のレイヤーが仕込まれている。あるレイヤーで予定調和に見えたことが、別のレイヤーの介入でまったく違う状況に置かれてしまうというスリル。案外、現実のなかでは起こっていることなのだが、これまで番組やドラマはそういうことを嫌ってきた。しかし、今の大衆は、まさに情報を複合的なレイヤーで捉えることを日常としている。きれいに整えられたパッケージよりは、複雑なレイヤーを駆使し視点そのものをダイナミックに移動させるような体験こそ求めている。

情報という価値は、かつてメディアや国家といった一部の機関が扱うものだったが、いまやネットにつながる人すべてが同様の立場に立つことができる。ひとつの正論をありがたく享受するというかたちが通じなくなったといってもいい。情報の取捨選択と評価は、生活者の手に移った。主権が権威から生活者に移行したわけだ。
つまり、企業はメディアの側から情報を流し、生活者が集まってくるのを待てばいい、ということではすまなくなってきた。むしろ企業は積極的に生活者の情報収集フィールドに下りていき、ともにエキサイティングな体験を共有しながらある方向へ能動的に向かっていくことを考えていかなければならない。マーケティングのベクトルが変わったのだ。
そのときに示唆を与えてくれるのが、今回紹介したARGなのではないだろうか。

あるブランドを所有することが、そのブランドの形成するコミュニティに加わることだと定義するなら、そのコミュニティに参加する通過儀礼としてひとつの広告やキャンペーンが機能するということもできる。
今日的な情報環境の中で、コミュニティへの通過儀礼としてキャンペーンを機能させるためには、ここで紹介したARGの深い関与と体験は重要な鍵を握る。

ARGなどの手法を取り入れた、没入型(Immersive)マーケティングは、まさに参加者の人格をある世界観にどっぷりと浸し、中毒症状にもにたある種の依存状態を引き起こし、切っても切れない関係を構築するのだ。

chumbyという情報端末がUSで発売され、日本でもブログ等で少し話題になっています。chumbyというのは、無線LANが内蔵されている目覚まし時計的な据え置きの端末で、Flashで作成されたウィジェットを利用することにより、YouTube等動画が見れたり、ニュースやブログのRSSフィードを取得して見ることができたり、ゲームができたり、iPod等と連携して音楽が聴けたりと様々なことが可能な情報端末です。

またウィジェット自体自由に作成可能でもあるようで、chumbyのウェブサイトでは様々なウィジェットがアップロードされ登録されています。

「virtual chumby」という機能もあり、実際の動作をウェブブラウザで見ることもできます。

日本では携帯電話が情報端末としても非常に進化しているので、このような情報端末がどこまで浸透するのかなんとも言えませんが、このように分かりやすくかつオープンな端末(Chumby社はChumbyのソフトウェアやハードウェアの仕様を「Chumby License」によって公開し、ユーザーが自身でウィジェットを作ったり、OSやハードウエアを改変して利用することも推奨している)といったようなというのは「アリ」だなと思います。

chumby - Google 検索

ARGという新ジャンルについての紹介を続けよう。
ある体験を共有するコミュニティには独特のワード使いが見られるが、このARGにもいくつかそうしたワードがある。

This is not a game.
通常のゲームデザインは、分岐によるパターンの組み合わせで一定のインタラクションを用意したもので、リセットしたり繰り返したりできるが、現実(リアル)の時間の流れは、常に次に何が起こるかは不確定であるし、時間である以上、当然巻き戻しやリセットはできない。不可逆性が付きまとう。やり直しの効かない瞬間の連続がスリリングであるという当然の事実を、このARGは見事に取り込んでいる、といえる。基本的な設定とゴールまでの大筋はARGのリードライターによって創作されるが、実際の展開は誰も決めていない。それは、参加者とパペットマスターのある種の駆け引きで進行されるのだ。

Puppet Master
ゲームの参加者に対して、パペットマスターと呼ばれるARGの進行管理役は、カーテンと称される敷居によって隔たれ、決して参加者が触れられる存在ではない。パペットマスターは、参加者に対してゲームの進行に必要なさまざまな情報を謎めいた演出でリリースし、時に参加者同士が協力しながらその謎の断片をつなぎ合わせたり解読したりしてゲームを進めて行く。ある事例では、あまりに謎を仕掛けすぎたパペットマスター側が自ら袋小路にはまり、ゲームの進行が危ぶまれたときに、ある参加者が提供したプログラムによってその解法が見つかり、無事ゲームは終了できたという話しもあったほどだ。

Rabbit Hole
うさぎの穴、パペットマスターが仕掛けるゲームへの入り口をこう呼んでいる。もちろんそれは不思議の国のアリスがファンタジー世界/異空間に入る穴から来ているものだが、ARGにおいて、それは例えば映画の予告テロップに実在しない人物の名前として隠されていたり、文字のひっかき傷が電話番号になっていたり、ある公衆電話から届けられたり、置き去りのUSBメモリや、謎めいたデザインのTシャツだったりと、それは決まった形を持つものではない。

これまで、映画の事前プロモーションとして、あるいはゲームの世界観を拡張したものが多かったが、新車が盗まれたというプロットで自動車ブランドが取り入れたり、石油がなくなった世界をシミュレーションするというような、集合知による社会貢献という視点のARGも数多く現れてきている。
★ARG情報:http://www.argn.com/
さて、次回はこのARGを歓迎する現在の生活者というものをあらためて眺めてみたい。

ARG(Alternate Reality Game)= 代替現実ゲームというキーワードは、まだこの日本では知る人ぞ知るレベル。日本語版のウィキペディアにも今日現在ワードは立っていない。
★英語版Wiki:http://en.wikipedia.org/wiki/Alternate_reality_game
しかし、その波がこの1年でいよいよ日本にも押し寄せてきそうだ。
リアル世界とネット世界を、ARGは一続きのプラットフォームとして扱う。そこに参加したとき得られるある種のドキュメント体験は、喩えは悪いが、臨時ニュース特番に釘付けになっている状況に近いとも言える。

ARGのスタイルが確立されたといわれているのは、2001年のスティーブン・スピルバーグ監督作品『A.I.』の公開前のプロモーションだ。当時マイクロソフトに所属していたメンバーが、映画の登場人物を使った別のプロット(ある殺人事件)を用意し、その謎解きを参加者とともに進行させていくというものだった。
そのあたらしいスタイルの体験はひとつの現象を引き起こし、ARGを専門とするプロダクションも、そのメンバーや熱狂したファンを中心にその後次々に設立されたほどだ。
★ARG先駆者:42Entertainment http://www.42entertainment.com/
従来のゲーム性や参加性の高いイベントと違い、その手法はネットワーク上の“オープンソース”手法にも似て、そのゴールへ向かう推進力の多くを参加者の自主的で能動的な関与に頼っていることが特徴といえる。そして、オルタナティブという言葉どおりそれは現実と仮想の隔たりを消し去るように、私たちを取り巻くあらゆる新旧のメディア、チャンスに忍び込みメッセージを送ってくる。
その手法の革新性は、いくつかのARGターム(専門用語)に現れている。
次回、その代表的なものをいくつか紹介しよう。

 次世代のマーケティングコミュニケーションを開発していくために、従来の広告会社にはなかった機能やスキルをとり込んで機能再編をかける必要がある。
 そのひとつの視点に、従来コンサルティングファームがやっていたコンサル技術がある。企業はWebマーケティングを盛んに採用し始めたが、企業の組織編成そのものはまだ従来のマスマーケティングを前提にしたもののままである。宣伝や販促はそれぞれ部分最適を追及する訳で、スルー・ザ・ライン、全体最適に対応しているのもではない。
 先日の、レックス・ブリッグス氏の講演でも、企業がマーケティングROIを管理することが大切であると強調していた。マーケティングROIは、何をもってROIとするかという指標の設定と測定、そしてそれを管理、最適化していくための企業側の体制が重要である。測定は今の時代いくらでもできる。だが、ROIを測定するだけでは、何にもならない。「体温計だけでは病気は治らない。」というように、測定して、それに対処する仕組みが企業に必要なわけで、そうした仕組みづくりを提案するコンサル領域のスキルが重要になってきた。
 広告コンテンツ開発というアウトプット力を持った我々と、企業の組織体制のコンサル力をもった人たちとの協業が新たな価値を生む時代になったと思う。

 最近のソネットのテレビスポットは「光回線をテレビに繋いでアクトビラからオンディマンド放送を楽しもう。」という趣旨になっている。
 先日このブログでもNHKオンデマンドを取り上げたが、サイバーエージェントがアクトビラと提携し、芸能人のブログをテレビで閲覧できるようになった。(文字が小さくてちょっと読みにくいけど)

 現状の「アクトビラ」そのものは、「とりあえず始めました。」といった風情で、充実してるとは全く云いがたいが、これこそ単に入り口なので、これからいろんなサービスがここに集まってくると思われる。

 いろんなサービスとなると、その操作性いおいて今のリモコンではストレスがある。選択肢をひとつひとつ順番に送っていって決定しなければならないからだ。その点Wiiのコントローラーはテレビに接続しつつマウスなみのポインティングディバイスになっている。アクトビラがもっとにぎわうには、テレビリモコンの本格的なポインティングディバイス化が必要だと思う。

先日電通から「日本の広告費」が発表されたことは記憶に新しいですが、3月25日、USの調査会社「TNS Media Intelligence」から、2007年のUSの広告費が発表されていました。

2007年のUSの広告費は、$148,993.5 million(約15兆円)となっています。
USの場合は日本と違い様々な調査会社が広告費を発表しており、会社によって大きく数値が異なっているので一概に数値をどうこう言うのは難しいのですが・・・

インターネット広告費の成長率を見ると、前年比115.9%となっており、日本の前年比124.4%と比べると若干低い数値となっています。

 今年の1月IABから動画広告に関するレポート「デジタル動画広告の概観」が発表されている。ある意味初めていろいろある動画広告フォーマットを体系化して、レギュレーションを整理したたいへん参考になる資料だ。
 
体系的に整理すると、インストリーム広告、インバナー広告、インテキスト広告に大別され、インストリーム広告もリニア動画広告とノンリニア動画広告に分けている。

http://www.iab.net/insights_research/iab_news_article/157448

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