「買う理由」を探すWebサイト

 AISASという購買意志形成モデルが提唱されて久しいが、ひとつめのS「検索」行動は、意外に多様で多層的ではないかと思うことがある。関心が顕在化して能動的に情報取得を行なうのは、心理的には「自分なりの納得感を得たい」というものがある。その意味で。企業のブランドサイトには、そもそも買う意志がある人が「買う理由」を見つけに来るという行動が前提にあると思う。自分自身に対して、自分を納得させられるだけの「買う理由」を見つけたいという心理がある。
 ところが、企業サイトには、売る側の理由が展開されていることが多い。「売る理由」と「買う理由」のミスマッチがおきる場合は非常に多く、そういう意味で消費者サイドに徹底的に立ったサイトのコンテンツづくりが基本スタンスである。

 企業のWebサイトコンテンツづくりは、最終的にはブランドの体験価値が伝わることを目的に、あくまで消費者サイドに立ったコンテンツづくりが必要だ。そのためにも、特定のターゲット層の考え方や関心の方向を理解している雑誌編集者などのコンテンツ開発者の参画を期待する。
 事実、大企業のサイトは、メディアとしては大概の雑誌よりはるかに規模(リーチ)が大きい。ここを場として、編集者のスキルを展開するほうが、実売1~2万の雑誌をつくるよりコンテンツの消費者にとっても、開発者にとっても意味があるのではないかと思う。

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コメント(3)

はじめまして。いつも興味深く拝読しております。企業サイトに雑誌編修のスキルを持ち込むという試み自体はとくに目新しいものではなく、まわりを見渡しても、特集タイアップか、記事体広告か、パブ記事の延長線のようなコンテンツしか見かけたことがありません。僕も広告・SP企画制作者としてクライアントの企業サイトをメディアとして活性化したいと常々思っているのですが、なかなか難しいのが実情です。求められているのは、何より「コンテンツ力」だと思うのですが。。。業界人間ベムさんとしては、何か突破口になる切り口、方向性をお持ちですか?

ベム Author Profile Page   2008年3月 6日 18:40

いただいたコメントのご質問にお答えします。
webマガジンなど雑誌のメタファーでのいわゆる編集タイアップをそのままWebにもってくる作業は従来あって、それはそれで内容さえよければ手法として間違っているわけではないと思います。
ただ、今のメディアのコンテンツ開発者は、メディアごとの縦割りで編成されていて、縦割で職能も開発されます。
 これを横串しにして、再編をかけるとすると、まずはターゲットとなる人たちのマインドセットを理解して、コンテンツ開発の戦略を練ることができるのは、雑誌編集者じゃないかと思っています。

 そして彼らが、雑誌ではできなかったけど、Webならできるショートムービーを撮ったり、ゲームをプロデュースしたりをいろんなクリエーターを仕切ってつくる先頭に立つべきではと思います。

 もちろん広告クリエーターもそうですが、広告フォーマットのないところでコンテンツをつくるのは苦手な人も多いし、企業発のメッセージは加工できても、まずユーザーの琴線に触れるコンテンツ開発からスタートするのは、いろんなコンテンツ開発者の引き出しを使わないと難しいですよね。
 そうした再編のリーダー役をして、編集長経験者はアリかなと思っています。

なるほど!丁寧にありがとうございます。よく理解できました。ちなみにアイデアフラッシュですが、一流フリーペーパーで営業も経験した強者の編集長というのもアリかもしれませんね。企業と生活者の間、そして広告と一般記事のボーダー(修羅場)を知っているという点で。いずれにしても、そうした超優秀な人材がネット界隈に大挙流入すること(お金も)が大事ですね。今後も貴エントリ、期待しています。

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