2008年3月アーカイブ

 最初にパティ・スミスを聴いたのは、NHKFMで渋谷陽一さんがやっていた番組だったような気がする。とにかくインパクトがあった。なにせ曲名が「ロックンロール・ニガー」だったから。「HORSES」というおそらくファーストアルバムは、詩人が詩人のままロックにのせて表現するという私にとっては初めてのアーティストのものだった。
 それまで英国一辺倒で聴いていたのが、ニューヨークのロックシーンを再認識したのが、パティ・スミスであり、トーキングヘッズだった。
 
 いわゆるパンクミュージックは、欧米のレコーディングプロデュース技術のレベルの高さから、ちゃんと聴きこめる音源になっていたことは、日本のものと比べると良く分かる。おそらくそのままライブパフォーマンスだったら視聴に耐えにくいものだったろう。
演奏技術だけなら、もちろん彼らが注目されることはない。新しい(当時としては)感覚とテーマと詩づくり、曲づくりにメッセージがあれば、しっかり聴きこめるレコードに仕上げてしまう音楽産業の厚みに圧倒されていた。

 企業にとってサイト訪問者は大切なお客様であり、ユーザビリティを向上させようとするのは当然の考え方だ。ユーザーに回線速度別にフラッシュ版かHTML版を選んでもらう手法も既に古いやり方になってはしまったが、まずはユーザーがストレスがないようにケアすることは定着した。
 さて、アクセスしてくるユーザーごとにサイト表示を最適化する考え方は、進んできている。ネットの優秀なところはアクセス時に瞬時に動的にページ生成が可能なことである。例えば、ブロードバンドかナローバンドかも、わざわざユーザーに選ばせなくても、接続時に小さなファイルを投げて、それが返ってくるスピードでユーザーの回線スピードを読んで回線速度別コンテンツ表示が可能だ

 デジタルサイネージが従来の看板やポスターと違うのは、オンラインでネットワークできるので表示内容が常時可変であること、もうひとつがインタラクティブな仕掛けや立体視ができる可能性である。
 例えば昨年、日立製作所とNTTアイティがメガネをかけなくても立体視が可能な大型モニターを開発した。

http://www.ntt-it.co.jp/press/2007/070927/070927idj.html

 特段の注目率を獲得する仕掛けとして、3Dというのはかなり期待できる。また商品ブランドや広告表現としての3Dの可能性も大いにある。つまり3Dというだけで非常に注目を集めるだろうことと、今までできなかった画期的な広告表現に期待が広がるところだ。当分、家庭に3Dのモニターが普及することはないだろうから、むしろOOHメディアとして注目、関心を集める装置として進化すると思う。

日本は意外と進まないが、欧米のスーパーマーケットでのIT化はずいぶん進んでいて面白い。清算の無人化や、非接触型カードの活用、ITショッピングカートなど未来型の買い物シーンがそこにある。

 世界一の売上企業ウォルマートにも、ショッピングカートにモニター付きのものがあって、売り場の中の位置を認識して、商品ブランドを推奨するCM画像が、まさにショッピング中の客に訴求されるものがあるそうだ。例えば牛乳の売り場近辺に来ると、あるひとつのブランドがモニターで訴求される。リーセンシーの極みだ。

 地上波で放送された番組をそのままネット配信することが、4月施行の改正放送法によって認められることになった。これにやはりNHKが一番早く対応する。12月に始まる「NHKオンデマンド」は放送翌日から最大十日間見られる「見逃し視聴」で最大二十番組、アーカイブもので当初千作品を揃えるようだ。
 NHKは川口にNHKアーカイブスを設立して、こうしたオンデマンド配信時代をかなり前から想定してきている。

 http://www.nhk.or.jp/archives/index.html

 今後の通信と放送の融合、またそれに伴なう広告ビジネスの大変革、こうした変化に一番必要なのは、人が動くことだ。ネットビジネスの文化をもった人が、テレビに行く、またはテレビコンテンツのプロがネットに行く。そもそも人材の流動性の高い米国ではこうしたことが大規模に起こる。よって進化する。
 日本では各メディア文化で育った人たちは、依然縦割りに構成されたなかに留まる。次世代に行くには、人の交流が欠かせないが、これには、個々の意識と、人材を融合させて新しい価値を創出しようとする企てが要る。日本の場合、より意識的にこうした努力が必要だ。

 私ベムの世代は、物心ついた時分にテレビアニメが始まって、それ以来テレビ番組のなかでも多くのアニメコンテンツと伴に成長してきた。私なんかは社会人になってからでも、仕事としてアニメに関わってきた。大学を出て就職した先は、昔のアニメ番組のエンドロールに社名がクレジットされていた会社だ。
 
 そんななかで、子供のころ一番好きだったのが、「エイトマン」と「スーパージェッター」。特に鮮明に覚えているのが、エイトマンが敵と東京タワーで闘うシーン。他のアニメではもう具体的なシーンをちゃんと覚えているものが少ないが、エイトマンだけはこのシーンをしっかり覚えている。東京タワーが子供心にも未来的な建築物の象徴だった。そういえば私は東京タワーと同い年だ。
 エイトマンが吸うタバコは、エネルギー充填のための小道具なのだが、そうしたディテールも普通のアニメと違って面白かった。原作がSF作家の平井和正氏であり、原作者と漫画家の共同作業のアニメとしては最初のものだったかもしれない。
 
 この時代のアニメはお菓子とそのおまけのシールなどに直結していて、アトムはマーブルチョコレートに入っていて、丸まっちゃうシール。狼少年ケンは森永ココア、エイトマンは丸美屋のふりかけだ。鉄人28号の番組のオープニングの歌の最後の部分は「グリコ、グリコ、グリコ~」と歌い込んでいた訳で、スポンサードの強さは今とは比較にならない。

テレビの1社提供は、既に絶滅に近い。スポンサードの意味を再構築する必要がある。

 今年も新入社員研修の季節だ。毎年複数コマやっているのだが、広告実務を座学で教えることが実にたいへんだということが、実際講師をやってみて分かる。
 それだけ、広告ビジネスは広範囲の知見を要するし、一方で特段の専門性もまた必要となる。

 総合代理店の方には釈迦に説教になるが、改めて新聞広告の広告接触率、注目率に関して整理する。意外にというと怒られるが、新聞に関してはかなりデータが揃っていて、シミュレーションが可能になっている。

 新聞に関しては、何階層かの到達指標がある。まずは、販売部数が指標となるビークル到達、それから新聞閲読率、そして接触率として面別接触率と広告接触率がある。
 また広告接触率が到達者のうち「確かに見た」、「見たような気がする」の回答者率であるのに対し、トップボックスの「確かに見た」だけの回答者率でみる「広告注目率」という指標がある。これについては各新聞社がHPで開設しているので、よく分かる。下記は読売新聞の新聞広告接触率、注目率の解説ページ。


http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/kchumoku/chumoku01.html

そして、これらの広告接触率、注目率を事前に予測するモデルが出来ている。これを予測する変数は、
1)ビークルの平均広告接触率(注目率)
2)広告段数
3)広告商品カテゴリー
4)掲載面(社会面、スポーツ面・・・)
5)多色、モノクロ
6)掲載曜日

 などである。そしてこれらの条件を入力すると、性年齢別の広告接触率及び注目率、到達人数を計算してくれる自動計算システムが読売新聞にある。下記URLなので是非一回試してみるといいと思う。
 
http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/chumoku/index.html

特に企業(商業的)サイトに求められるソーシャルメディアとしての最適化(SMO)。
SMOとは、「リンクされやすくしたり引用されやすくしたりすることによって、ブログやSNSといったソーシャルメディアにおける存在感を高めること」を意味する。
オグルヴィパブリックリレーションズのインタラクティブマーケティング担当部長Rohit Bhargava氏が

http://rohitbhargava.typepad.com/weblog/2006/08/5_rules_of_soci.html

5原則を提唱した。その5原則とは以下のとおり。

1)Increase your linkability
  魅力のあるコンテンツを発信してリンクされやすく
2)Make tagging and bookmarking easy
  タグ付けやブックマークをされやすく
3)Reward inbound links
  リンクを促進するしくみを
4)Help your content travel
  コンテンツを持ち出されやすく
5)Encourage the mashup
  マッシュアップされやすく

 前回テレビ視聴率を個人視聴率換算にしてその低下傾向を示した。しかし、これをもってテレビがダメだという議論をしているわけではない。ただ視聴傾向は確実に変化しており、従来の絶対的パワーに陰りが見えるのも事実だ。2000年にレギュラー番組で平均視聴率が20%以上あった番組は、17番組だったが、2006年には5番組しかない。

 ところで、地上波以外のBSやCSの視聴動向はどうだろうか。
地上波以外のその他の局ということで、視聴率動向は下記のようになっている。

昨年に引き続き今年も「YouTubeアワード2007」が開催されるようです。

全部で12のカテゴリがありそれぞれ6つの候補動画があるのですが、その中の「Adorable(かわいい)」カテゴリにて日本からの動画がノミネートされています。

YouTubeアワードにまで猫動画が!
11,000程度のコメントもついているのですが、ほとんどが海外からのコメントで、「Cute!」尽くしとなっています。
猫の可愛さは世界共通ですか。

せっかくなのでぜひとも、「Adorable賞」取ってほしいところですね。

 2000年問題が取り沙汰されていたころ、誰かに「Y2K」ってどういう意味かと訊かれたことがあった。もちろん「Year2000」のことだが、2Kつまり2キロと云われると、日本人にはメートルかグラムしか思いつかないので、2000年を2K年と書かれてもすぐにはピンと来ないのも頷ける。
 昔から「キロキロとヘクトデカけたメートルがデシを捕らえてセンチミリミリ」という覚え方があって、私も亡くなった親父から教わった覚えがある。
 キロはもちろん1000倍を意味し、ヘクトは100倍、ヘクトアールで1アールの100倍の面積が1ヘクタール。あとは気圧のヘクトパスカル。デカつまり10倍が出てくる単位はあまりメジャーなものがないが、10種競技のことをデカスロンといいますね。英語でdecadeは10年。Dacaは10を表す。

 Googleが従来有償だったいろんなサービスをタダで提供してきていることはご案内のとおりだが、アド配信も無償で提供することになりそうだ。
 ネット広告の配信は、当初ネット媒体が個々に自社開発していたり、配信技術会社がでてくるが、すぐにダブルクリックが自社アドサーバーを用いて、アドネットワークを構築するというビジネスモデルをつくる。ダブルクリックは、媒体社が自社管理するサーバー技術を提供するエンタープライズサーバーと、媒体社にASP供給するモデルDFP(DART for Publisher)をつくった。一方アドナレッジ社が開発した第三者配信サーバーができるとダブルクリックもDFA(DART for Advertisers)を発表し、ダブルクリックのDFAは有力広告主の多くが全世界で標準使用するようになった。

 今回、グーグルのダブルクリック買収が承認され、(それ以前にもGoogleはアドサーバーを自社開発しているが)、広告配信というサービスを無償化することで、またもやこの市場もGoogleがシェアを独占していく戦略がありそうだ。

 アド配信のコストをかからなくする事で、媒体社のなかにもグーグルの配信サーバーに切り替えるところがでてくる可能性がある。ただその場合その広告スペースは何らかの形でグーグルの流通に加わることも考えられる。またバイイングサイド(第三者配信)のサーバーに関しても、広告主ないしエージェンシーがこれを使っていこうという環境もできあがる。

 「広告配信テクノロジーを直に使うスキルのない広告会社は使い物にならない。」ということに早晩なるだろう。グーグルがそれを加速してくれたようだから・・・。

 新聞広告市場は、2000年に1兆2474億円あったものが、2007年では、9462億円となった。2000年を100とすると2007年は、75.8だから市場のシュリンクはかなりのペースだ。新聞の閲読率も全世代で落ちている。もともと新聞の閲読率は年代が上がるほど高くなるが、約10年前と比べて一様に下落していて、10年前の30代の閲読率が今の40代の閲読率に、10年前の20代の閲読率が今の30代の閲読率になっている。
 つまり、新聞を読む人は引き続き読んではいるが、新しい世代は新聞を読まない人の割合がどんどん増えているという構造となっている。
 
 朝日、毎日、読売、日経、サンケイの5紙合計閲読率を年代別に見ると・・・。
まず全体では、97年に78.1%あったものが、2006年には60.8%になっている。この9年間の推移を各性年令別に見ると、

  グラミー賞がレコード大賞だとすると、歌謡大賞(もうなくなったか。)みたいなのが、アメリカン・ミュージック・アワードである。このアワードが有名になったのが、84年だったか、この授賞式に集まったミュージシャンたちが、そのままスタジオ入りして録音したのが「We are the World」だったからで、マイケル・ジャクソンが社会的ブームになっていたころは、彼が登場するこのアウォードの受賞式の番組は日本でも価値のあるコンテンツだった。

 80年代は洋楽の価値は高く、特に「スリラー」のころのマイケル・ジャクソンは特別で、グラミーが特番で10数%の視聴率を獲得できた。

 そこで、この「アメリカンミュージックアウォード」が懐かしいのは、このソフトを日本に持ってきて、音楽特番として1社提供社にスポンサードしていただいてオンエアする仕事をしたからだ。

 IABが2000年から実施したXMOS(クロスメディアオプティマイゼーションスタディ)の中心人物でカリスマリサーチャーでもあるレックス・ブリッグス氏の講演を直接聴く機会をやっと得た。
 日本マーケティング協会が主催する「米国の最新手法と事例に学ぶ広告とクロスメディア効果の最適化」という長いタイトルのセミナーに行ってきた。

 XMOSのことを知った2003年くらいから彼の名とXMOSの手法と成果には非常に関心があった。当時ビデオリサーチの方と、日本版XMOSの可能性について相談してみたりもした経験がある。
 昨年、日経ビジネスに日本コカコーラでのメディアの効果検証を、レックスの手法で行なったことが掲載されたので、ご存知の方も多いだろう。

 時事通信の湯川鶴章氏の講演が聴けます。

 デジタルサイネージエキスポなどのレポートもあるそうで、たいへん興味深い講演になりそう。

 下記、詳細です。

 開催概要は下記のとおりです。
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http://agilemedia.jp/blog/2008/03/post_51.html

■勉強会概要
日時:3月27日(木) 19時半開始(19時会場)
場所:株式会社オリコム 会議室 (地図)
料金:4,000円(懇親会費込)
対象:広告営業に携わる方、企業のマーケティング担当者の方
人数:50名

■講演内容:「テクノロジーになる広告と、マーケティングの未来」
 講演者:湯川鶴章 時事通信 編集委員 (湯川鶴章のIT潮流)

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 昔、ある飲料メーカーのクライアントさんに電車のドアステッカー広告をプランに組み込んで買ってもらったとき、「朝と夕方と違う素材を入れられたらいいのに」と云われたことがある。交通広告やいわゆるOOHメディアは、できれば、その広告を見た時点と帰宅までの間に販売チャネルがあって、広告にリーセンシー効果を期待したい場合は多い。

 その点、デジタルサイネージは、ネットワークに繋ぐと随時素材を最適なものに替えることができる。確かパナソニックさんがやっているデジタルサイネージの福岡での展開では、資生堂さんのブランドで、その日の温度や湿度によって表示する商品や内容を替えるようにしているとのことだ。

  アクトビラが始まって、すぐ繋いでみたが、「うーん、こんな感じね。」と言った感想だ。GIFしかない感じで、せっかく大画面、高精細なのにもったいない。まあいずれにしてもこれからだろう。
  テレビに光回線のアウトレットからLANケーブルを繋ぐようになると、コンテンツの消費のされ方はかなり変わると思われる。映画はレンタルより便利だし、完全に視聴者の好きな時間に消費される。
  で、テレビという端末で結構肝なのが、ポインティングディバイスとなるリモコンという存在だ。Wiiが画期的なのは、Wiiリモコンがポインティングディバイスになっていることで、こちらにテレビリモコン機能がつけば(その予定だと聞くが)、ネットに繋がれたテレビは、単に大画面というだけでなくマウス操作のPCとは、若干イメージの違うものになるかもしれない。
 ソファやベッドに横になりながら自在に操作感が得られると、こうした環境にマッチしたソフト、コンテンツがイメージされやすくなって、今まで皆が気づいていないものが開発される予感がある。

 バラク・オバマ氏がミシシッピ州でも勝利した。ミシシッピといえば、私ベムが小学校のころはミシシッピ川が世界最長の大河だと教わった。確か1位がミシシッピで、2位がアマゾンで、3位がナイルだった。そのうちナイル川が1位になり、そうこうしているうちに、ミシシッピ川はアマゾンにも抜かれ、長江にも抜かれて世界4位になってしまった。
 もちろんこんな短期間で川が伸び縮みする訳はないので、測量の精度の問題だが、世界1と教わったことが実は4番目でしたというのも結構お粗末な話、ことほど左様に、教科書に載っていたことが、実は間違っていたということは案外ある。そうやって教わった者としては、RSSみたいなものででも「あれは実は間違いでした。」と訂正情報を提供してきて欲しいものだ。

 つい最近宅配されてきた冊子「NIKKEIなんでもランキング」と「なるほど日本知図帳」の2冊を興味深く読んでいる。
 業界別ランキングや商品カテゴリー別シェアの本は、時々買って読むことがあるが、企業単位のランキングとしては広範囲で、一番詳細まで書いてある貴重なデータ本である。
読み込めば、読み込むほど面白い。

 2月25日のエントリー「広告の本質の議論」ではいろんな方々からご反響をいただいて、もっとも卓見だと思ったのは、下記のブログ。

http://www.naotoyamamoto.jp/cgi-def/admin/C-010/blog/tdiary/index.rb?date=20080228

   引用開始・・・
  先の文章が、仮に以下のように書かれていれば「その通り」なのである。
「元来、広告媒体というものは有限であり希少性があるからこそ媒体社と広告会社にとって価値があるのです。」
   ・・・引用終わり

 これをもっと辛辣に言ってしまうと、「希少性のある枠をおさえている広告会社にとって・・・」となる。これは正にそのとおりで、そうであれば批判するつもりは毛頭ない。

 私ベムは、広告会社に新卒で82年に入社した。まだ電話はダイヤルで会社には交換台のお姉さんがいたし、PCもないし、電卓で計算し、伝票や受注台帳や企画書もすべて手書き。新聞は鉛の凸版、雑誌は版下、テレビは16ミリのフィルム、スポット用には1局に対して一番本数の多い日の本数分フィルムを入稿するという作業だ。今にして思うと、この仕事の効率の悪さといったらなかった。それでも、会社に出社すると大概喫茶店に打ち合わせと称して、コーヒーを飲みに連れて行かれたし、確かに深夜残業もあったが、今の若いアドマンに比べると、ここまで激務ではなかったような気がする。
 こうした現象は何も広告会社だけの話ではないだろうが、メーカーや銀行や商社が、そのビジネスモデルの大転換を既に果たしているのに対して、広告会社にはこれから待っている激動期がある。

 テレビの到達力指標である視聴率は、云うまでもなく、基幹地区は機械式でパネル視聴世帯からデータを集めている。世帯視聴率つまり単純にテレビが点いているかどうかと違って、個人視聴率の場合は、個々の世帯構成員が視聴する度にボタンを押しておいてもらう方式になった。世帯視聴率はずっと機械式だったが、個人視聴率も機械式で取るようになったのは意外と最近の97年からである。それ以前の個人視聴率はいわゆる日記式で、日記式から機械式に変わって、個人視聴率は7~8掛けになったと記憶している。

 さて、この機械式になった97年から以降の視聴率推移を見てみよう。それ以前とはあまり比較にならないからだ。

 サンフランシスコを拠点に活動していたロックバンド「チューブス」は日本ではほとんど知られていないが、ライブがとことん面白いバンドだった。そのステージは、当時のロックバンドとしては凝りに凝っていて、いろんな仕込みをする連中だった。作りモノの男性器をわざわざつけて、ポロッとしたように見せて会場を騒然とさせたり、チェーンソーを持ち出して暴れまわったりと、オーディエンスを楽しませる演出をロックのライブステージに持ち込んだ最初のバンドだったかも知れない。

 そのライブを収録したライブアルバム「What do you want from life」は、ツインドラムが巧みに交錯して厚みがある上、ステージに熟練したバンドらしいパフォーマンスの情景が目に映るアルバムだったと云える。

IMC(インテグレーテッド・マーケティング・コミュニケーション)という考え方は電通さんが主導して、90年代に提唱したと記憶している。IMCにもいろんな段階があって、単にマス広告などのコミュニケーションとSPやPRなどの手法も複合的に使おうという初期の考え方から発展して、シュルツとかコトラーなどの研究者が進化させてきた。

 ただこれらが、インターネットの普及以前からあった概念なので、ネットによるマーケティングコミュニケーション環境の変革期である現在では、もう古い発想と思われ勝ちかもしれない。その辺は電通さんも意識していて最近はIMC2.0と謳っている。
 
 しかし「インテグレーテッド・マーケティング・コミュニケーション」という考え方は、広告の手法論に留まらず、企業のインターナルな組織構造も含め、「戦略的ビジネスプロセス」と考えるところにまで発展しており、インターネットによるスルー・ザ・ライン、全体最適化が可能になった今だからこそ、この考え方が重要になっていると云える。

 AISASという購買意志形成モデルが提唱されて久しいが、ひとつめのS「検索」行動は、意外に多様で多層的ではないかと思うことがある。関心が顕在化して能動的に情報取得を行なうのは、心理的には「自分なりの納得感を得たい」というものがある。その意味で。企業のブランドサイトには、そもそも買う意志がある人が「買う理由」を見つけに来るという行動が前提にあると思う。自分自身に対して、自分を納得させられるだけの「買う理由」を見つけたいという心理がある。
 ところが、企業サイトには、売る側の理由が展開されていることが多い。「売る理由」と「買う理由」のミスマッチがおきる場合は非常に多く、そういう意味で消費者サイドに徹底的に立ったサイトのコンテンツづくりが基本スタンスである。

 この業界にいて、これが「ジャパン・パッシング」だと実感する事象の代表が、世界各国で開催されるカンファレンス「AdTech」が、未だ日本で開催されていないことだ。そうこうしているうちに中国では行なわれている。
 AdTechは、アドテクノロジーを扱う国際的なカンファレンスだ。
(詳しくは、今月号の宣伝会議でオリコムの武富さんが記事を書かれているので、お読みいただくと良いと思う。)

 こうした国際的なカンファレンスが、未だ日本で開催されていない現状には、本質的に日本のマーケティングコミュニケーション市場が世界とスルーで繋がっていない現状と、今の広告界のITリテラシーがあまりに低く、「アドテクノロジーって何?」というレベルにいることがある。従来こうしたテクノロジーはメディア運営側が主に使うものだったが、いまでは広告主企業が駆使する技術として展開している。だからこそAdTechが世界11都市で開催され、活況を呈していて、広告会社がしっかりキャッチアップしているわけだ。

 しかし、日本では「アドテクノロジー」の実態を理解できている広告会社は少ないのではないだろうか。テクノロジーと聞いた瞬間、「理解できないもの」と反応してしまう人も多い。

 とはいえ、このままではいけない。AdTechも是非日本に誘致して、広告界のアドテクノロジーに対する認識を改める契機にしたいものだ。おそらく広告主の方が進んでいる状況を見て、目が覚めると思う。

Le Monde というフランスのニュースサイトにて、Valleywagが作成したSNSのワールドマップが取り上げられています。確か以前にもValleywagが作成した同様のマップがあったような気がしましたが、今回のマップは北米、南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカとそれぞれのエリアの利用状況(1か月あたりの利用時間[百万時間])も掲載されているためわかりやすい内容となっています。

Social Networking World Map
Social_Networking_World_Map.gif

日本においては mixi がNo.1のように、各国・各エリアで利用されているSNSは大きく異なります。例えばヨーロッパであってもアイルランドではBebo、イギリスではFacebook、フランスではSkyblogといった具合です。ポータル・検索エンジンと違いSNSの場合はより地域性や言語に左右されるといえるでしょうか。

Le Monde.fr : Réseaux sociaux : des audiences différentes selon les continents

米誌「アドバタイジングエイジ」によると、2006年のTOP TEN DIGITAL AGENCY は下記のとおり。欧米ではグロスインカム(日本でいう売上総利益)でランキングする。いわゆる売上はあまり指標にならないということだ。

1. アベニュー・A・レイザーフィッシュ    235.4 million dollar
2. サピエント                   228.0
3. デジタス                   163.2
4. ワンダーマン                113,4
5. ラップコリンズ ワールドワイド      107.1
6. オグルビーインタラクティブ        103.2
7, オーガニック                 102.0
8. AKQA                     98.0
9. DraftFCB 94.1
10. IMC2 92.7


こうやって見ると、新しい勢力とダイレクトマーケティング系、メガエージェンシー系列の3つに分けられる。

 「IPマルチキャスト放送が、テストマーケティングになり、地デジで本放送となって、アーカイブはオンディマンドで視聴される。」
 今後こういう図式ができあがる可能性があると思う。

 テレビというメディアは視聴率で、その成果をはっきり評価されるのだが、いずれにしても「やってみてから分かる」メディアである。ネットはその辺はリアルタイムなので、コンテンツも広告も受け手の反応(レスポンス)を見ながら手を入れられる。
 テレビはつくってしまって評価を得る。番組企画が当たるか当たらないかは今でもある意味送り手の感覚頼みである。

 多額の制作費をかける地上波の番組も視聴率が悪いと、ドラマなんかは打ち切りとなって、周辺はたいへん迷惑するものだ。テレビコンテンツにテストマーケティングがないのは、その影響力や市場性から考えてもおかしい。

 私ベムにとってはパンクロックの象徴的存在はセックスピストルズでもクラッシュでもなく、イギー・ポップだ。ザ・ストゥージスの時代から注目していたが、あまりに荒削りで、ライブ版なんかは音としては最悪なモノばかり。それがデビッド・ボウイと会ってからまともになって、名作「ラスト・フォー・ライフ」ができる。
 パンクやニューウェイブと云われたいろんなアルバムを聴いてきたが、このアルバムくらい古くならないというか、いつまでも新鮮に聴けるパンクもない。
 意外とこのアルバムの曲は、最近テレビ番組やCMに使われている。「パッセンジャー」がソフトバンクモバイルのCMでそのまま使われたのには驚いたが・・・。
 
 「チャイナガール」もデビッド・ボウイがカバーしたバージョンより、やはり本家イギー・ポップの方がいい。

 昔、中野サンプラザかどこかでステージを見た覚えがあるが、やっぱり暴れてて良かった。確か当時19歳くらいの日本人女性と結婚しちゃったはずだがその後どうしただろう。
「ラスト・フォー・ライフ」は間違いなくロック史に残る名盤だ。おじさんは今でも聴いている。

 ネットビジネスに対して世間は、とにかくたいへんな成長率を期待していて、ちょっとでも成長が鈍くなると、途端に行き詰まったという評価を与える傾向がある。
 
 「新しいビジネスモデルは往々にして、急成長を遂げるが、その分短命になる」と最近よくこう言われているのは、「IBMが30年続けた牙城を、マイクロソフトが壊して10年君臨した。それを壊すグーグルの寿命は3年?」みたいな議論だ。

 たしかにグーグルもたいへんな成長を続けているが(前年比51%増)、いくつかの懸念材料がない訳ではない。リスティング広告へのクリックが減っているのでは?というデータもあるし、インベントリーを考えると自社サイトの検索結果画面アドワーズより、ネットワークのアドセンスの売上が伸びないといけないが、前者の伸び率が上昇しているのに,後者の伸び率は下がっている。
 ただ、こうした現象を鬼の首を獲ったように「グーグルの限界」として論うのはどうか。
伸び率まで伸び続けることはありえないし、広告収入だけが事業モデルであることがリスクだと云ってしまうと、テレビの繁栄は何だったかということにもなる。またグーグル的ビジネス変革は、グーグルだけのものではなく、多くの新しいプレイヤーを呼び込むものだと思う。グーグルの価値はグーグルの時価総額だけでみるものでもないだろう。
 とにかく世の中は変わってきた。マイクロソフトを追い詰めたグーグルは、新しい価値を提供したことに間違いはない。

 いろんなツールやサービスをタダにしてきたグーグル。さて次は何をタダにするのだろうか。

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