アカウントマネージャーとアカウントプランナー

 広告会社の営業には基本的に2つの機能が必要だ。ひとつは得意先であるお客様をグリップする機能(アカウントマネージメント力)で、もうひとつは、広告会社の提供するサービス(企画、運営ほか)を最適化するディレクション業務すなわちアカウントプランニング機能である。

 サービス業である広告は、お客様からお仕事を受注するわけだから、当然お客様であるクライアントに対する最大限のホスピタリティを発揮して、受注を促さなければならない。その上で本当の評価は、提供されるサービスのクオリティだから、質の高い企画提案を推進する機能が営業のフロントラインにある必要がある。

 とかく会社が大きくなると、スタッフ機能が肥大化する。特に日本の広告会社はAE制ではないので、顧客が多く、また扱いが変動しやすいので、スタッフ機能を顧客担当別に編成される営業ラインから離す傾向が強い。貴重な能力を共有したいからだ。

 しかし、このやり方を長い期間続けると、顧客をインターフェイスする大事なポイントで専門性が希薄になるリスクを負うことになる。特に求められるものが変わっていくときは、尚のことそうしたが顕著になる。
 クライアントにとって一番いいのは、その人間に話せば専門的なコンサルテーションとプランニングディレクションができる人が日々直接来てくれることだ。

 そして、このコンサルティング力という要素がこれからの広告会社に強く求められてくる。その傾向を促すことのひとつは、消費者主導のマーケティングコミュニケーションの時代になるということだ。従来のように商品と広告情報の送り手の論理でマーケティングメッセージをつくれば良かったころは、基本広告主の云うとおりに作業すれば良いということがあったと思うが、今後は消費者たる生活者の琴線にふれるコンテンツを創出して、そこにブランドのメッセージをたくみに組み込むという方向に、広告コミュニケーション開発の手法が変わる。この時、広告会社は消費者をレップして、コンテンツをプロデュースする存在になることが求められる。当然、送り手ではなく受け手の論理でつくる訳だから、クライアントの云うとおりという訳にはいかない。コンサルティング能力がいよいよ試されることになる。
 よって広告会社の営業は、アカウントマネージャーとしての機能だけでは立ち行かない。コンサルティングサービスの営業としてのアカウントプランナーという企画サービス最適化機能が、従来よりはるかに重要になる。

 もうひとつは、次世代コミュニケーション開発には、従来の広告会社の職能と組織を一度壊して再編する必要があるという点だ。縦割りに編成されている既存の組織とそれぞれの職能は、基本的にマス広告枠を売るために周辺サービスをするためにできている。この縦割りを一回壊して、つくり直さないといけない。こうしたときの中心であるべき存在は営業のフロントラインにいるプランニングプロデューサー型人材だ。
 
 いずれにしても、次世代型に変革するための中核人材は、インタラクティブ領域の認識と理解に優れたアカウントプランナー人材だろう。

 広告マン個人としても、その価値を高く売れるスキルとなることは間違いない。

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