さて、先日公開のランドスケープに関して各方面からのご意見もありさっそく改訂させていただきました。引き続きご意見いただければ幸いです。

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テレビのプログラマティックバイイングに関してはDIGIDAYに寄稿しました。

http://digiday.jp/agencies/tv-programatic-buying/

さて、スマホの動画が関しては、PCほどユーザーの受容性に関して、まだ改善の余地がある。そもそも動画広告のインベントリーとなる動画コンテンツ開発が必要だ。またパケット代の課題もまだ日本にはある。フリーWifiの普及ももっと進まないといけない。
そうした課題は解決することにはなると思うが、それまではそうそう一本調子での拡大市場になるとは思わない。いわゆる踊り場がいったん来るだろう。しかし第2弾ロケットが噴射するのは時間の問題で、そこからの加速はすごいことになるだろう。

そこで、テレビのプログラマティックとの時期も問題だ。

ベムは、テレビが、スマホ動画がまだ第2弾ロケットに点火する前に、プログラマティック対応を進めないと、主客は逆転されると思う。

 ベムは以前から終始、「e-メール」という言い方が「メール」になったように、デジタルマーケティングからデジタルという形容詞が取れる前提で取り込まなければならない。」と言っている。また、「デジタルマーケティングとは、マス・リアル・ネットの3領域すべてをデジタルデータで統合し、顧客導線を最適化する試み」と定義している。

 そして、今はもっと踏み込んで、敢えて「デジタルマーケティング」とは、「マーケティングの再定義の機会を与える材料」と考える。

 一見、「デジタルマーケティング」と言われればピンとくるマーケティング施策はある。従来のマスメディアによるコミュニケーション施策やリアルプロモーション施策ではない、ネット環境を舞台にデータとテクノロジーを駆使するマーケティング施策ということだ。そして、テクノロジーとデータ分析という旧来のマーケターの苦手とするスキルの壁に当たって、その専門性をまずは獲得しないといけなくなる。そこまではそのとおりなので仕方ない。

 しかし、本当は、従来のマーケティングとは別にデジタルマーケティングを確立することが求められているのではない。

 「マーケティングがデジタル化」するのである。

 そして、大事なのは、このデジタル化という大きなパラダイムシフトに乗じて、「広告販促」のことをマーケティングと呼んでいた企業が、その企業にとっての「マーケティングの再定義」をし、それを全社員で共有する機会と捉えることなのである。

 さて、ベムはいわゆるマーケティングダッシュボード構築を担うことがあるが、それはやっとPOEのデータをリアルタイムで競合ブランドも含めて同一画面上に表示できるようになったからだ。しかしこれらを提案していくと、事業サイドからは、「実際には売上利益(という目的変数)に貢献するのはこうしたマーケティング施策よりも、価格政策や工場からの出荷タイミングなので、それらも説明変数に加えたいと言われる。これらもデジタルデータとしてダッシュボードに取り込める。営業活動のパフォーマンスも説明変数化できるはずだ。

4Pのプロモーションだけを「マーケティング」と定義する時代ではない。

そして、「マーケティングのデジタル化」がこの「マーケティングの再定義」を促すのである。


 企業の経営企画部門の方々に言いたいのは、「デジタルマーケティング部門」をつくればいいのではないということだ。組織(箱)をつくるのはいいが、肝心なのはそこに入れるスキル(人材)をどう定義し、どう育成するか、そして全社のマーケティング活動の本流にどう統合していくかである。この3つめが重要で、そのためには前述の「デジタル化によるマーケティングの再定義」を経営企画室が主導しないといけない。そして経営トップがそれを十分理解・認識して、全社員に向けてその新しい定義とその意味を共有させないといけないのだ。

 よく行われる「デジタルマーケティング組織化」は、マーケティング活動の「幹」に部分に関われない場合が多い。ブランドマネージャーなどマーケティング施策全体を仕切り、事業責任を負う側からすると、デジタルはよく分からないし、面倒くさい。でも全く取り入れないと経営からも「デジタルはやっているのか?」と言われる。そこで、デジタル専門部門にデジタル施策を企画実施してもらう。しかしそれはマーケティング活動の「幹」ではなく「枝葉」のものに過ぎない場合が多い。デジタルを付け足して化粧する程度だ。

 そもそも、従来のマーケティング活動の本流・本丸のところがデジタル化しなければ意味がない。
 
 ということは、従来のマーケティングの本流・本丸(幹の部分)が、どういうスキルを獲得するかをしっかり定義することだ。

 組織は箱から考えるのではなく、そこに入れるスキルセットから考えて、そのためにはどういう仕事(OJT)でそのスキルが育成されるかで組織の役割とポジションを設定しなければならない。

 ベムはこれを極めて具体的に定義している。具体的に定義できるから、具体的にそうしたスキルセットの育成方法が提案できる

「CMを科学する」 ~その3~ です。

 テレビを観ない若年層が多くなっている。これは家にいてもテレビを観ない、場合によっては「単身世帯にテレビがない」という現象が、そもそも都市部でのテレビ番組のゴールデンタイムの晩の時間帯に帰宅していないということに加わって、さらに若年層の視聴時間低下に拍車をかけている。

 生活時間帯が都市部と地方では、かなり違う。ローカルに行くと帰宅時間も早く、当然テレビ視聴時間も比較的長くなっているはずだ。(遊ぶところも都会に比べて比較的少ないだろうし・・・。)こうしたことは東芝のレグザの視聴ログデータを見れば分かる。全国21万台以上のデータだから、ローカルでは何時にスイッチオフにしているかなど明確だ。

 若年層への到達がテレビだけでは難しくなっていることは、「CMを科学する」でも言及しているとおりだが、それは都市部でより顕著に起きていることだと言っていいだろう。

 
 だとすると、テレビの視聴データ(特に個人視聴データ)が関東・関西・中部など都市部中心でローカルは取りにくい状況であることを考慮にいれないといけない。
 
 従来テレビの視聴データは調査パネルによるものなので、なかなか全国津々浦々まで機械式の測定装置を配置することはコストの問題で難しい。だが、こうしたことがいわゆる全数型データというものの登場で解決されるかもしれない。
 米国では、様々な全数系テレビ視聴データがある。ただし、CATVやディッシュなどの衛生放送などサブスクラーバー型が中心である。
 WPPが買収したレントラックは、こうした全数系データを収集している。今後コムスコアとの連携がどう進むか注目だろう。

 で、本題だが、地方のテレビ視聴データをもっと詳細に出して、アロケーションのためのマーケティングデータとする必要があると思う。そして、実態の価値にあったパーコストを提示することで、テレビのローカルエリアへのアロケーションシフトが考えられる。

 考え方はこうだ。

 エリアごとのターゲット人口と購買力を計算する。
 ターゲット一人あたりの購買期待値に対して、一人あたりいくら広告を投じるかが決まる。
 そして、都市部とローカルのメディア接触率に差があれば、都市部とローカルのアロケーションは変ってくるはずだ。

 商品に対する購買力はカテゴリーやその企業やブランドのエリアごとの販売力で違う。この係数は広告主が用意するとして、ターゲット人口についてはローカルテレビ局側が精査すべきだろう。
 
 それによって、逆算でエリアごとの適正パーコストが弾き出されるはずだ。

 地方局のパーコストは〇〇〇〇円とキリのいい額になっているが、ちゃんと計算すると、そこそこ違ってくるだろう。

こういうマーケティングデータが出揃えば、広告主つまりバイイングサイドから見て、適性な配分を算出すると、もちろん例外もあるだろうが、多くの場合、従来よりローカルへのアロケーションがより多くなるのではないだろうか。(それは今の地方局のパーコストがその広告主にとって適正かどうかに掛かっているが・・・)

また、同じエリアで歴史が長いので、ほかの局よりパーコストが高いって今でもあるようだが、よっぽど番組のクオリティが高くて視聴質に自信があるようなので、ここはちゃんと視聴質を測ってみたらどうだろうか。

 米国では、日本よりはるかに局に個性や特徴がある。だから視聴層も違う。
同じCMが他局よりアテンション値が高いという数値をセールストークに使っている局もあるくらいだ。
 そういうことが実証できれば同一エリアで到達する視聴者数が同じでもパーコストを堂々と上げればいい。

 マーケティングコストのアロケーションは全国一律にすればいいというものではない。デジタルデバイスへのシフトは、テレビが届かない状況が顕著なエリアから始めていくことが適切だろう。

 それにはテレビ視聴データを全国つぶさに見る必要がある。極めて高額な全国ネットを番組を買っている広告主は、30局ネットなら30局すべての視聴データを吟味すべきで、またスポットのエリア配分も地方局のパーコストを精査しつつ適正化すべきだろう。

もうかれこれ3年が経ちますが、2013年にこのブログにデジタルインテリジェンスとして「日本のマーケティングテクノロジーのランドスケープ」を掲載しました。実はこれは今は亡き鈴木望くん(旧レスポンシス)と私の共同作業でした。

http://g-yokai.com/2013/02/post-300.php

今回2016年版としてリバイスすることになりました。
アビームの本間さん、ベストインクラスプロデューサーズ菅さんとの共同作業となりました。

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 「テレビCMを科学する」に関しては、「テレビCMの到達実態がここまで分かるのか」という反応をいただく。と同時に「こんなに解明しちゃって大丈夫ですか?」というご心配もいただく。w
 この本の趣旨は、人口動態や視聴時間の偏差から、世帯視聴率だけでマーケティングすることに無理が出てきていて、また世帯視聴率ベースで番組が評価されてしまうと、ますます若い層のテレビ離れを促してしまうことになるので、視聴質という概念も含めて、「テレビの本当の効果を明らかにすることはテレビのためにほかならない」ということである。

 テレビの持っているアテンションの力は、他のどんなメディアよりも強い。
それを明らかにすれば良いのだ。

 ベムが明らかにしようとしているのは、「不都合な真実」ではない。「本当の効果」であって、テレビを最適化する材料である。もっと効果的に、もっと効率的にするためのデータである。

 従来の評価の仕方を守って、テレビCM市場を守らないのでは意味がない。

マス広告を何も知らないデジタル小僧がテレビをディスってみせるのが、ベムは大嫌いである。テレビもネットも熟知しているからこそ、デジタル時代にどうしたらいいかをテレビ業界に提言するためにこの本を書いている。

 テレビ業界の方たちに言いたいのは、「テレビの本当の味方は私だ」ということである。

『視聴質』とは何か

 『CMを科学する』のなかで最も大きなテーマとしているのが『視聴質』。
従来も旧広告主協会が「テレビの視聴質」を測定してほしいとのメッセージを業界に投げかけたこともある。ただ『視聴質』の定義も、その測定方法も確立しなかった。

 ベムは今回の本で『視聴質』を下記のように定義している。

① ビューアビリティ(テレビが点いていて状態で、テレビの視聴可能範囲に視聴者がいる度合い)
② アテンション(テレビ視聴可能範囲に視聴者がいて、テレビ画面を注視している度合い)
③ コ・ビューイング(誰と誰で観ているか)
④ 表情反応(画面注視時にどんな表情をしているか)

本にも登場するティーヴィジョンインサイツ社の測定技術では、上記の4つをデジタル
データ化してサーバーに送ることができる。(映像ではないのでプライバシーは保護されている。)
 赤外線センサーやデプスセンサーによってこうした視聴者の状態を数値化できている。実際ほとんど真っ暗な部屋でも家族の構成員の誰がテレビの前にいて、画面をどの程度注視しているかしっかり測定できている。

 まずビューアビリティだが、ネット広告のビューアビリティはPCなりスマホの画面をユーザーは注視しているというのが前提で、画面に広告画像が現れているかが、ビューアビリティなわけだ。一方テレビはその逆で、画面には映っているものの、ユーザー(この場合視聴者)が視聴ないし注視しているかを測定しようというものだ。

 当然だが、曜日や時間帯で、テレビが点いていてもじっとテレビの前にいるかどうかが違ってくる。平日の朝は通勤通学のために身支度している時間帯なので、じっくりテレビの前にいる状態にはならない。しかしながら音声は案外しっかり聴いている(聴こえている)というのがテレビである。
 テレビというメディアの特にプッシュ力の源泉は音声(サウンド)がデフォルトであることだ。こういうメディアは他にはなく、テレビ広告の高い訴求力を支えている。

 次にアテンションつまり画面注視度だが、これも音の影響を受けて画面を向くということが大いにある。アテンション値は、サウンド効果の賜物でもある。
 とはいえ、テレビの前にいてもスマホをいじるのに夢中でテレビの音も上の空という状況もある。そうしたこともデータ化されている。
 次にコ・ビューイングという概念がある。これは「誰と誰で観ているか」だ。実は一人世帯を別にして、複数人数世帯だと、一人より二人で観ている方がアテンション度合いが高い、また二人より三人で観ているほうがよりアテンションは高い。
 同じ映像なりコンテンツを共有しているということで、人はより放送を注視する。そして番組によってこのコ・ビューイング率は大きく違うのだ。
 
 テレビマンがよく使ってきた「お茶の間」ということを再定義することになる。

 テレビはその昔、街頭テレビの前に何百人も集まって、力道山とシャープ兄弟の一戦を固唾を飲んで観ていた。それはまさに注視していた。家庭にテレビに入ってきてもテレビは家族全員が正座して観るような時期もあった。そこから世帯あたりの人数はどんどん減っていき、一方、テレビ受像機は一世帯に何台もあるようになった。
 だから世帯視聴という概念は変化してきた。
 世帯視聴率もそうである。
 ビデオリサーチの世帯視聴率のカウントの仕方は、家に3台テレビがあっても、1台で観ていれば、世帯視聴率は100%だ。同じ番組が2台点いていると、母数が1世帯増えるという計算になる。なんか釈然としないが、やはり世帯視聴率という概念が、一世帯に1台のテレビということを前提しているからであろう。

 さて、このコ・ビューイングのデータが面白いのは、このCMは「お母さんと子供が観ていて、子供が笑っている」という状態を測定記録できるということだ。④に画面注視している視聴者の表情も測定していると書いたが、表情分析は

 ・スマイル
 ・サプライズ
 ・ネガティブ
 ・ニュートラル

 の4つの表情を数値化している。
これと、コ・ビューイングを掛け合わせると、ある業種の広告主にとってはCMによって獲得したい目標(ゴール)を測定できるということである。

 さて、こうした視聴質数値と、視聴者の意識や行動にどんな相関があるのかが次のテーマである。すでに実証実験でこれも測定している。

 さらに、CMの効果はクリエイティブのパーフォーマンスだけで左右されるわけではなく、
 ・タイミング(時期・曜日・時間帯)
 ・オーディエンス(誰が観ている)
 ・コンテンツ(どんな番組内、前後にCMが入ると)
 
  とクリエイティブの掛け合わせになるのだ。
  変数は多いが、測定はできている。


 ご興味のある広告主の方は、まずは是非『CMを科学する』を読んでいただいて、デジタルインテリジェンスにお問合せください。

テレビの視聴データに関しては長年ビデオリサーチが独占してきた。20年以上前にはなるが、一時はニールセンが日本でもテレビの視聴率データを販売していたこともあるが、(ベムも代理店時代ニールセンのデータを買っていた。毎月営業さんがCD-ROMを持ってくるというのどかな時代だ。)その後撤退してしまった。
広告収入モデルの民放テレビ局にとって、ビデオリサーチ社の視聴率データは「取引通貨」だ。スポットは基本パーコストで取引されている。視聴率が下がればいわゆる「持ちGRP」が下がって、販売できる在庫が減るということになる。なので、テレビ局にとっては視聴率獲得に躍起になるのは当然のことである。
そこに昨今、ビデオリサーチ以外のテレビ視聴データを扱うサービスが次々と登場している。インテージ、スイッチ・メデイア・ラボ、東芝ライフスタイル、ティービジョンインサイツなどである。
ところが、彼ら新たなデータサプライヤーに対して、「余計なデータを出すんじゃないよ」という声を浴びせられることがあると聞く。
しかし、こうしたテレビの本当の到達実態を詳らかにするデータは全部「不都合な真実」なのだろうか。
ベムはこれらのデータをかなり分析しているが、むしろ「テレビの本当の力を提示できていいのではないか」という部分もたいへん多く、今のトレンド(とにかく若年層に関しては、本当に到達効率は落ちている)のまま本当の到達実態を明らかにせず、そうしたデータによる最適化もせずにいて、完全にデジタルに主導権を奪われてから「データが・・・」と言い出して遅いと思うのだが・・・。くしくも米国では2017年にデジタル広告市場がテレビ広告費を超えるという予測が発表されている。英国では既に広告費全体の過半数がデジタルだ。今はまだ「デジタルで補完しましょう」だが、「テレビで少し補完しようか」になってからでは遅くないかなと僕は思う。


民放の周波数帯域は非常に経済合理性が高く、これを民間放送に割り当てたのは、GHQの方針だ。もちろん「大本営発表」の反省からであるが、(ちなみにテレビ放送業界の市場はNHKの事業規模を加えても3兆円に満たず、雇用している人数も数万人だろう。この周波数をデジタル化してその一部をモバイル通信に振り分けただけでもはるかに大きな市場と雇用が生まれたのは言うまでもない。)基本これらの周波数帯域の電波は国民のものであって、テレビ局のものではない。民放が広告を収益モデルとしていて、そこに広告費を払っているのは広告主だが、その広告主の商品やサービスを買っているのは消費者である。よって消費者が間接的にテレビ広告費を払っている。その効果・効率を上げることは商品やサービスの質が向上してかつ安く消費者の手に届くことに繋がる訳だ。

その意味でも電波は国民であり消費者のものであるので、テレビ広告の効率効果を上げることは良いことであり、決して不都合なことではない。

4/15に宣伝会議から「CMを科学する」を出版します。
下記が目次です。

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CMを科学する
~「視聴質」で知るCMの本当の効果と、デジタルの組み合わせ方~

はじめに

第一章 新たなテレビ視聴データで実態を把握する ~視聴率から視聴質へ~
テレビの視聴実態を正確に捉える
「取引通貨」としてのビデオリサーチのテレビ視聴率
新しく登場したテレビ視聴ログ測定サービス
同じ視聴率でも「視聴構造」や「視聴者定着率」が違うという実態
スイッチ・メディア・ラボ社のSMARTデータ
視聴者クラスターを把握する
テレビのビューアビリティとアテンション
テレビ視聴質を分析する
録画再生によるCM到達を加算して考える
現場レポート① 脳波測定でここまでわかる! 無意識にアプローチするCM評価測定

第二章 クリエイティブを科学する方法論
無理やり見せて意見を聞く調査の限界
AI値というデータでテレビCMクリエイティブを最適化できるか
最初の5秒のAI値が高いと15秒全体も高い
CMの賞味期限と特性 9つのタイプ
視聴者はCMのどのコマに釘付けになり、どのコマで視線を外してしまうのか
タレントの起用は効果的か
テレビCMはブランドの文脈で、オンライン動画はユーザーの文脈でつくる
オンライン動画をつくってから、テレビCMをつくれ
なぜタケモトピアノのCMで赤ん坊は泣き止むのか
男性脳・女性脳
現場レポート② 脳科学で消費者の本音を知る!ニューロマーケティング最前線

第三章 宣伝部が採用すべき新たな考え方
なぜ最もコストの高いテレビCMが経験と勘の世界で許されてきたのか
宣伝部こそデータ武装を急げ
テレビCMの効果としての購買データ
デジタル時代に浮き彫りになるテレビCMの2つの欠点
テレビスポットCMの2つの課題
「テレビCMとオンライン動画の組み合わせ方」3つの考え方
テレビCMとオンライン動画広告をインプレッション数でシームレスに管理する
「予算がプランを決めてしまう」状況からの脱却を
テレビCM到達の実態を知ろう
クリエイティブ・ブリーフの作り方
テレビCMだけで「コア・アイディア」を考えるべきではない
DMPを使ってテレビCMを最適化する
リアルタイム運用で最適化する
購買を期待する消費者の数でマーケティング手法を考える
テレビCMが当然のようにブランドで考えてみよう
現場レポート③ 英国アンルーリー社の「Unruly ShareRank TM」による「共感を呼ぶ動画とは何か」

第四章 CMを科学するために
テレビは既にデジタルデバイスである
残存GRPをどう考えるか ~期間中の投下配分の最適化~
ティーンエージャーにブランド訴求しておくこと
現場レポート④ テレビCMとオンライン動画、データ活用の今

第五章 「CMを科学する」向こう側
スマホや搭載カメラを通じて「人のこころ」のデータが流通しはじめた
現在、手が届く生体データとは
マーケティング業界におけるニューロサイエンスへの投資
投資対象の技術はグローバル普及できるものか
フェイシャルコーディングの老舗、リアルアイズ
Webcamを使って、表情からコードを読み取る
アフェクティーバのビジネスとしての将来性
人間の意思決定のバイアスに食い込む
「ファスト&スロー」とは
現場レポート⑤ デモグラフィック×モードで考えるスマホ時代のメディアプランニング

第六章 最新米国レポート(取材:榮枝洋文)
オンラインのみの放映に踏み切るNFLフットボールの放映権
視聴データの主導権争いが始まる
ニールセンのVOD視聴率の操縦術
1000種類のビデオを制作放映したレクサスのフェイスブック利用法
誰も踏み込まない米ニールセンのテレビ視聴率の牙城
広告主は自己防衛の視聴動向データへの投資へ
「視聴率」を捨て、エンゲージメントでバズ・フィードと競うテレビ局
ネットフリックス対アマゾンのImplict Data(潜在データ)争い
テレビ通貨「レーティング」の主導権
視聴率計測企業の主導権争い

おわりに

横山 隆治

 4月15日に宣伝会議から『CMを科学する』が出版されます。12月に2冊出したので、5ヶ月間に3冊出すという粗製濫造感が否めないベムだが、自分で言うのも何なのだが、この本結構な力作である。テレビCMの到達実態をいろんな角度から検証してみた。日本で初めて『視聴質』とは何かも定義してみたし、脳波やアイトラッキングや視線や表情を読み取る最新テクノロジーが「人のココロ」をどうデータ化するかという話に至ってはCMの領域を超えた話になっている・・・。

で、

 このブログでは、この本に沿ってポイントなり書ききれなかったことを書いてみる。今回はその1ということになる。(とはいえ、このブログを書いている最中にキース・エマーソンの訃報に接して、ショックで文章がまとまらなくなる可能性もあるので、ご承知おきください。4/19にビルボードライブに行くはずだったのですが・・・。)

まずは、テレビ番組の録画、録画再生によるCM到達の話である。

 東芝レグザのユーザーに許諾をとっての視聴ログデータは、シングルソースでリアルタイム視聴(ライブ視聴)と録画再生視聴が測定できている。

 リアルタイム視聴でのCM到達のみをカウントしている日本のテレビCM市場では、「録画再生ではCMはほとんどスキップされているもの」という論調があって、どうも評価の対象にならなかった。しかし米国ではすいぶん以前から3+と言って放送後3日以内の録画再生率を視聴率に加えてカウントするなどの仕組みが進んでいる。

 日本でもやっとビデオリサーチが来年からこうした録画再生率も通常の視聴率測定世帯に統合して900世帯での調査となることが予定されている。

 ベムが東芝レグザデータで、こうした録画再生によるCM到達(つまり再生時にCMがスキップされずに視聴された分)を見てみると番組によっては、非常に大きな到達量をなっているケースがあることを掴んでいる。ちなみに東芝さんのデータは2016年2月時点で全国21万台、関東地区だけでも9万台分の視聴ログデータである。今後こういうデータが全数系になっていくのが必然である。購買行動データも数万人のパネルでは、出現しない商品が多く、たいがいマーケターはブランドが大きく育ってたくさん売れる前に知りたいはずなので、シングルソースでメディア接触から購買までを紐づけたいとなると両方(メディア接触データも購買行動データも)全数系である必要がある。

 さて、以下は結構衝撃的なデータである。でもその前に東芝のレグザの視聴データの計算の仕方に触れておく・ビデオリサーチ社では家に3台テレビがあったとして、そのうち1台でも視聴されていれば世帯視聴率は100%である。(ちなみに2台映っていると母数が1台分増えるという計算だ。)一方東芝さんは「視聴率」とは言わず、「視聴割合」と言っている。この計算は家に3台あって、そのうち1台点いていると33.3%になるので、そこを考慮して以下の数値を見てほしい。

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 図は、上があるスポーツ中継のライブ視聴におけるCMタイムの視聴率と録画再生され、かつCMがスキップされずに視聴された分を足し上げた数値、下は同じくあるドラマのそれである。

 スポーツはそもそも生で観ないと面白くないコンテンツなのか、この中継がラグビーのワールドカップほど保存しておきたいと思わせるものではなかったのか、ここでは録画率が低い。一方ドラマはライブ視聴では視聴率(ここでは視聴割合)が4.1%しかないのに、録画再生率が11.3%もある。その上で、CMがスキップされずに視聴された分をライブ視聴時のCMタイムの視聴率に足し上げると、このドラマのトータルなCM到達は8.5%となって、ライブ視聴での番組視聴率で3倍近いスポーツ中継を超えることになる。
 
 こうなるとかなり評価が違ってくることになる。
広告主もこうしたデータをしっかり把握しておかなければなるまい。

  ドラム(タルカス聴きながら書いたので、ドラマがドラムになってしまいました。w)やアニメは比較的録画率・録画再生率が高く、アニメなどはCMのスキップ率が低い。子供にCMをスキップするリテラシーが低いのと、CMにアニメキャラクターが出てくるなどでCMが視聴されやすいのだろう。この録画率・録画再生率・CMスキップ率を番組ごとにデータ化しておくのも、最終的なCM到達量を確保するためのメディアプランに重要なことだろう。

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